道の駅や幽泉閣で販売 燃焼時間はまきの2倍以上
地域産物生かし、カーボンニュートラルを―。蘭越町は1日、町内で生産した米のもみ殻を再利用する「もみ殻燃料棒」の販売を開始した。道の駅や公共温泉施設「幽泉閣」で購入可能。再生可能バイオマスエネルギーへの有効活用事業として、継続展開する考えだ。
主要産業の水稲生産では、年間約2000tのもみ殻が生じる。町は2019年度、廃棄処分となるもみ殻の有効利用に向け、再エネ実証プロジェクトに着手。専用の圧縮成形機で粉状のもみ殻を10分の1に圧縮し、1本当たり直径5・5cm、長さ40cm、1㎏の燃料棒を製造した。20年10月には試供品を町民60人に配布し、使用感などへの評価や意見を踏まえて販売開始に至った。
燃料棒は、1㎏当たりの発熱量がまきと同等の約3800㎉だが、燃焼時間が2倍以上で、家庭やビニールハウスの暖房燃料として利用可能。燃焼灰は融雪剤や土壌改良材になるほか、形質を変えず10年間保存できるため、災害用備蓄燃料としての用途も見込める。
道の駅「らんこし・ふるさとの丘」と「シェルプラザ・港」、幽泉閣で販売している。価格は5㎏袋が税込み440円、10㎏袋が同660円。大口購入用の30㎏袋は事前連絡の上、役場庁舎で購入する。
総務課まちづくり推進係によると、21年度は36tを製造する予定。うち8割程度は冬期間の葉物野菜や薬用植物の暖房用とし、残る8tを一般向けに販売する考えだ。担当者は「自治体の取り組みでは道内初と聞いている。販売状況などを踏まえ、継続できれば」と期待を寄せる。
問い合わせは同係、電話0136(55)6836まで。(小樽)
(北海道建設新聞2021年10月4日付9面より)