札幌市は、イサム・ノグチが基本設計を手掛けたモエレ沼公園を札幌景観資産に指定する方針だ。広大な敷地に幾何学形態を多用した山や噴水、遊具などの施設が整然と配置され、自然と芸術が融合した美しい景観に触れることができる点などを指定理由に挙げている。年内にも指定告示する見通し。21日の第2回市景観審議会で意見聴取した。
東区モエレ沼公園1の1にある総合公園で、面積は104ha。年間約88万人が来場する。
1979年から90年まで使用したごみ処理場跡地。公共工事で発生した建設残土を有効利用し、約270万㌧、面積71・2haのごみを埋め立てた。82年から盛り土や植樹などの公園造成に入り、88年のイサム・ノグチによる基本設計を経て、2005年に完成した。
指定理由には、春から秋にかけてサクラや水遊び、冬にはクロスカントリーやソリ遊びが楽しめ、1年を通して市民や観光客から親しまれている点などが盛り込まれた。
年内にもまとめる予定のモエレ沼公園・サッポロさとらんど周辺地区景観まちづくり指針と合わせて、地域の魅力向上につなげる考えだ。
また、審議会では7月に第31号札幌景観資産に指定した旧札幌麦酒製麦所(東区北7条東9丁目1の1)に関する報告のほか、景観資源の指定・登録制度の運用についても議論した。
(北海道建設新聞2021年10月22日付面より)