初の400億円超 総額は2.3%増の3717億円
北海道建設新聞社は、2021年度上半期(4―9月)のゼネコン道内受注高ランキングをまとめた。首位は447億6000万円を受注した大成建設。上半期での400億円超えは初で、調査の集計方法を暦年から年度に変更した07年度以降、過去15年間で最高額となった。上位50社の受注総額は前年度同期比2.3%増の3717億5700万円。うち官庁土木は過去最高の1214億3200万円に達した。中山組が142億9300万円を受注し自己記録を更新したほか、大成建設や伊藤組土建との北海道新幹線札樽トンネル桑園工区の計上が影響した。
受注額が200億円を超えたのは4社で前年度同期より2社増加。一方100億円以上は9社で2社減った。
首位の大成建設は、札樽トンネル桑園工区のほかに民間建築で札幌市内のHBC跡地や新さっぽろ駅前の再開発事業などを受注し、過去最高の447億6000万円に到達した。
竹中工務店が282億5100万円と自己記録を更新して2位。官庁建築で北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)改修を請け負った。
3位の伊藤組土建は248億500万円。札樽トンネル桑園工区をサブで請け負ったほか、留萌建管発注の宇遠別トンネルはメインで受注。建築では札幌市の中央区複合庁舎整備を計上した。
中山組が4位。官庁土木が過去最高額だったことに加え、民間建築では北広島市内の仮称・北海道ボールパークマンションを計上し238億8100万円に達した。
5位は宮坂建設工業で152億1300万円。札幌開建の石狩川改修や帯広開建の十勝川改修など河川工事を多く積み上げた。
岩田地崎建設は6位で149億800万円。民間建築では北海道労働保健管理協会の新健診センター新築やザ・レイクビュー乃の風リゾート耐震補強・内装改修を獲得した。
鹿島は135億6100万円で7位に。再生可能エネルギー関連施設の受注により、民間土木は108億3300万円を計上し自己記録を塗り替えた。
砂子組は120億3300万円と過去15年間で最高額。民間建築では長谷工不動産が進める札幌市内の分譲マンションを計上し8位につけた。
9位の岩倉建設はセントラル総合開発のクレアホームズ月寒中央駅前や夕張市の市立診療所・介護医療院など114億1800万円を積み重ねた。
三井住友建設は日本フードパッカーの道南工場改築やキャメル珈琲の長沼コーヒー工場新築を獲得し82億1500万円に。前年度同期の187位から10位に大きく順位を上げた。
11位以下は熊谷組が前年度同期の50位から12位、東亜建設工業が230位から21位、鈴木東建が81位から26位、西江建設が83位から35位、安藤ハザマが124位から37位、田畑建設が179位から40位、畠山建設が92位から45位、前田建設工業が212位から47位、鴻池組が264位から49位にそれぞれ上昇。50位以内の道内企業は31社で1社減った。
分野ごとの上位5社は、官庁土木が①中山組②大成建設③伊藤組土建④岩倉建設⑤宮坂建設工業、民間土木は①鹿島②伊藤組土建③NIPPO④大成建設⑤日本道路、官庁建築が①伊藤組土建②岩田地崎建設③竹中工務店④岩倉建設⑤丸彦渡辺建設、民間建築は①大成建設②竹中工務店③伊藤組土建④三井住友建設⑤中山組となっている。
上位50社の受注総額のうち、土木部門は1581億8200万円で7%増。07年度以降で最高額を記録した。官庁土木が1214億3200万円で3.3%、民間土木は367億4900万円で21.2%それぞれ増えた。
建築部門は2135億7500万円で1%減にとどまった。官庁建築は282億8000万円で42.2%下回ったものの、民間建築は1852億9500万円で11.1%上昇した。
官庁は土木、建築を合計して10.1%減の1497億1200万円、民間が12.7%増の2220億4500万円だった。
回答した51位以下を含む1社当たりの平均受注額は23億300万円。前年度同期から2.9%増加した。
(北海道建設新聞2021年11月5日付1面より)
北海道建設新聞2021年11月5日付6―7面に51位以下の表が掲載されています。閲覧は新聞本紙、またはe-kensinプラスのゼネコン受注高のコーナーをご覧ください。