室蘭開建沙流川ダム建設事業所は24日、平取ダムの試験たん水を開始した。洪水で予想される最高水位までため、安全性を確認する。関係自治体の平取、日高の両町長や篠宮章浩室蘭開建部長らがたん水のためのゲート閉塞(へいそく)ボタンを押した。たん水は年内に終える見通しで、順調にいけば2022年度の供用開始を見込む。
平取ダムは洪水調節、流水機能の維持、水道用水供給、発電を目的とする沙流川総合開発事業の一環として建設。1973年に実施計画調査が始まり、86年9月には沙流川をせき止める二風谷ダム本体に着工した。
平取ダムは堤高55m、総貯水容量4580万m³の重力式コンクリートダム。沙流川に注ぐ宿主別川と額平川をせき止める。堤体コンクリートの打設は、西松建設・岩田地崎建設・岩倉建設共同体が15年度から進めた。総事業費は約670億円。
たん水式で、遠藤桂一平取町長と大鷹千秋日高町長が約半世紀にわたるプロジェクトの節目を祝った。大鷹町長は「沙流川の水害は常に頭にある。治水能力が向上することを期待する。周囲の景観が良く、観光名所になるのでは」と話した。
ゲート閉塞では両町長と篠宮部長のほか、ほくでんエコエナジー新ひだか管理所の馬場弘規所長、西松建設の菅原秀明札幌支店長がボタンを押した。(苫小牧)
(北海道建設新聞2021年11月26日付9面より)