年末年始は雪かきに追われ、のんびり正月気分を味わっている暇がなかった人も多かろう。今回の寒波はかなり強力で、北海道や東北はもとより、近畿、中国地方の日本海側にまで広く大雪を降らせた。雪に慣れていてもうんざりなのだ。そうでない地域の方々の苦労は想像に難くない
▼「雪掻きの夫戻らぬ小半日」田中恵子。小半日どころでは終わらない所もあったと聞く。戻れない夫が全国でどれだけ出たことか。戻れないのは夫だけではない。帰省客もである。降り積もる雪に強風まで加わる大荒れの天気で交通機関は大混乱。特に新千歳空港は新年初日から、羽田発着便を中心に233便が欠航した。その余波でJALもANAも満席が続き、帰るに帰れない人が大勢いるようだ
▼それにしても全くよく降る。気象庁のデータを見ると、本道は道東を除きほとんどの観測点で平年の積雪深を大きく上回っている。中でも留萌市は4日正午現在で平年比約2倍の81cm、岩見沢市は169%の103cmに達した。誰もが「雪はもう十分」と愚痴りたい心境でないか。残念ながら本道はこれからが冬本番だ。きょうは二十四節気の小寒。寒の入りである。札幌管区気象台によると、この厳しい寒さは10日頃まで緩まず、降雪も今月いっぱいは平年並みか多い確率が高いという
▼「いくたびも雪の深さを尋ねけり」正岡子規。子規ではないが、しばらくは積もり具合が気になって頻繁に外を見る日が続くのだろう。夫たちのこんな疲れた声をあちこちで聞くことになりそうだ。きょうも帰ったらまず雪かきだな―。