賃上げ実施企業に総合評価で加点 開発局

2022年01月11日 09時00分

工事2―4点、業務6点か9点

 北海道開発局は、賃上げを実施する企業に対して総合評価方式で加点措置を講じる。適用対象は、4月1日以降に契約締結する総合評価の工事、建設コンサルタント業務、物品、役務。プロポーザル方式や価格競争は対象外とする。従業員に対して賃上げを表明した入札参加者を総合評価時に加点評価。賃上げによる加点割合は5%以上となるように調整する。開発局が示す標準配点例では工事で2―4点、業務で6点か9点を加算するようにしている。

 今回の加点措置は、政府の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」と「新しい資本主義」の起動に向けた取り組みの一環。政府全体で賃上げの環境整備を進める。

 国交省関係では、開発局のほか各地方整備局、国土地理院、国土技術政策総合研究所、海上保安庁などでの総合評価が対象。UR都市機構や高速道路会社は含まれない。

 国交省での加点措置は、4月1日以降に契約を締結する総合評価の全ての案件に適用。入札参加者から「従業員への賃金引上げ計画の表明書」の提出を受けて加点する。

 入札参加者からの賃上げ表明は、各企業の事業年度か事業年のいずれかの単位で受け付ける。求める賃上げ基準は、大企業では従業員1人当たりの平均受給額を前年度比3%増、中小企業は給与総額1.5%増とする。

 賃上げの実績確認は、加点を受けた企業の事業年度または事業年の終了後に実施。年度単位の場合は法人事業概況説明書または税務申告の作成書類を、年単位の場合は給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表を、加点された落札者が国交省の契約担当官に提出する。その後、国交省が財務省に報告する。

 賃上げ基準に達していない業者情報は財務省が整理し、国交省に通知。未達成者が国の総合評価に入札参加する場合、財務省の通知日から1年間、全ての案件で入札時の加点割合よりも大きな減点措置(1点大きな配点)が科される。減点措置の詳細な開始時期や期間は契約担当官から未達成者に通知される。

 共同企業体(JV)で加点を受ける場合は、全構成員の表明が必要。構成員の一部が賃上げ未達成だった場合、その後の減点措置は当該JV、未達成者となった構成員、未達成者となった構成員を含むJVに科される。

 開発局が示す工事と業務の加点措置方法を見ると、各評価値の計算に用いる加算点(工事)、技術点(業務)の5%以上の整数を、既存評価の満点の外側に設定。これが賃上げ加算点となる。

 加点イメージとしては、施工能力評価Ⅱ型で従来40点満点の場合、賃上げによる加点を3点とすることで、全体の約7%(5%以上)のシェアを占めるようにする。開発局の標準配点例では、施工能力評価Ⅱ型で2点、技術提案評価型で3―4点の加点例を示している。

(北海道建設新聞2022年1月7日付1面より)


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