北海道技能士会の実態調査
北海道技能士会(福森希志雄会長)は、会員団体の技能士を対象に実態調査した。年齢階層は、70歳以上が16.1%と最も多く、55歳以上で見ると全体の約半数を占めるなど、技能士の高齢化や若手の不足という課題があらためて鮮明になった。
同会は、地域を単位とする地方技能士会と、職種別の技能士会の計65団体で組織。各団体を構成する技能士は4859人(2021年6月時点)に上るが、年齢や性別などの詳細は把握していなかった。同会ではニーズを踏まえた的確な事業の実施を図るため、実態調査に取り組むことにした。
21年11月に調査を実施。51団体から回答があり、3468人(うち女性68人)の実態が判明した。
業種別で見ると、建設関係が2826人の81.5%と最多。木材・木製品・紙製品関係は287人の8.3%、その他が186人の5.4%、金属加工関係が67人の1.9%などで、技能士の資格を有しないのは53人、1.5%だった。
職種別では、塗装が381人と最も多く、これに建築大工369人、鉄筋施工368人、配管339人、建築板金307人と続く。このうち女性技能士は、婦人子供服製造の26人が最多。建設関係では造園5人、とびと配管が各3人、建築大工と建築板金が各2人、鉄筋施工と塗装が各1人、木材・木製品・紙製品関係では家具製作6人となっている。
年齢階層別では、多い順に70歳以上が557人、45―49歳が472人、65―69歳が428人、60―64歳が407人、50―54歳が400人、40―44歳が380人、30―39歳が377人、55―59歳が336人、20―29歳が111人。55歳以上が全体の49.8%を占める一方、44歳以下は25%で、30代以下では14.1%、20代以下では3.2%にとどまっている。
従業上の地位では、雇用主が1288人の37.3%、従業員が2058人の59.7%。雇用主を職種別で見ると、建設関係が37.7%、木材・木製品・紙製品関係が38.9%、金属加工関係が38.8%など。男女別では男性が37.5%、女性が27%となっている。
南部明専務理事は「高齢化や若手の不足は予想していたが、これで詳細な状況が把握できた」とし、「調査結果を会員に周知し、若い技能士や女性技能士の育成・確保のほか、建設業職種以外の団体もより入会を促す取り組みを検討していきたい」と話している。