市都市景観審が会合で了承 他の候補物件の所有者との交渉も継続
函館市都市景観審議会は21日、函館市役所で2021年度第3回の会合を開いた。市教育委員会から、市元町末広町伝統的建造物群保存地区の保存に関する計画(保存計画)の対象物件に、明治期の建築「守屋住宅」の追加を求める諮問を受け、了承した。
末広町14の4に立つ守屋住宅(W造、2階、延べ152平方㍍)は1909年の完成。1階が和風、2階が洋風という、典型的な函館の和洋折衷様式を特長としている。
外観は寄せ棟造の屋根や、壁から梁が突き出す持ち送りのある軒、等間隔に並んだ縦長窓などが特徴だ。88年に、保存計画に基づく伝統的建造物として特定した。
その後、固定資産税の非課税措置に向けた伝統建造物としての特定も必要となったが、所有者から同意が得られず、90年に保存計画から削除した。このほど建物を取得した東京都内の企業から同意が得られたため再度、伝統的建造物に加えることにした。
議事では、委員から外壁にはうツタの影響を調べる必要性を指摘する声や、建物の利活用方法に関する質問があったが、異議はなかった。
これで市内の伝統的建造物は64棟となった。市教委はこのほかにも候補物件があるとしていて、所有者と交渉を続ける。