道は18日、2022年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比0.8%減の3兆2262億1411万円。このうち公共事業などの投資的経費は5%増の3476億6912万円、特別会計を含めても4.8%増の3566億80万円となるなど、どちらもプラスを示した。主な建設事業では、小樽環状線の仮称・最上トンネル(小樽市)の着工を予定しているほか、呼人1の沢川火山砂防(網走市)などに着手する計画だ。(解説と関連記事、予算表4面に)
特別会計は、1.1%増の1兆382億3814万円。一般会計を合わせた総額は4兆2644億5226万円で0.4%減少した。
一般会計は、21年度に引き続き新型コロナウイルス感染症対策へ重点配分。コロナ対策関連に5857億円を充てるだけではなく、ウィズコロナを見据えてゼロカーボン北海道関連など本道の強みを生かした先進的な取り組みを盛り込んだことにより、過去5番目の規模となった。21年度補正予算(国補正分など)を合わせた15カ月予算は、横ばいの3兆4567億円に上っている。
一般会計の投資的経費は、補助事業が3.2%増の1708億円、社会資本整備総合交付金事業が16.1%増の216億円、施設等建設事業費が2.9%増の244億円といずれも増加。一方、21年度補正分の1416億円を含めた15カ月予算では、補助事業費が2.5%減の2814億円、社会資本整備総合交付金事業費が2.5%減の389億円と減少を示した。
主な建設事業を見ると、道路では小樽環状線改築で新設を計画する仮称・最上トンネル(延長約1・2㌔)に着工する予定で、25年度までの4カ年の債務負担行為を設定する。継続では、増毛稲田線妹背牛橋架け換え上部、泊共和線茅沼1号トンネル新設、登別港線蘭法華トンネル拡幅が完成を迎える見通しだ。北海道日本ハムファイターズの本拠地・ボールパークFビレッジへの連絡道路として新設する、きたひろしま総合運動公園線は、事業完了を目指して1・3号橋上部架設、擁壁、舗装などを進める。
河川は、利根別川(岩見沢市)や厚沢部川(厚沢部町)、安平川(苫小牧市)などの整備を継続する。砂防では、通常砂防事業で中の川左股川(札幌市)、一の橋公園の沢川(下川町)、上流川(枝幸町)、双河辺7の沢川(釧路町)、右1の沢川(根室市)の5地区、火山砂防事業で呼人1の沢川に着手する予定。高潮対策では、浜中海岸(浜中町)、友知海岸(根室市)への着手を計画している。
建築関係は、北海道消防学校改築で新校舎に着工。RC造、2階、延べ約2600m²の規模で、ゼロカーボン北海道の実現に向け道有施設では初めてZEBの実現を目指す。中標津合同庁舎は移転改築に向けて基本設計に着手。道庁赤れんが庁舎改修は仮設工事を実施した後、本格的な工事に入る予定だ。北海道百年記念塔の解体費も計上。22―24年度を期間とする4カ年の債務負担行為を設定する。
災害復旧費は23億4122万円を計上。内訳は、過去の災害に対応する過年分が7億1899万円、22年度の災害に備えた現年分が16億2222万円となっている。
18日の定例記者会見で鈴木直道知事は、守りの視点として「『道民の命と暮らし』を守る感染症に強い安全安心な地域づくり」、攻めの視点となる「『本道の強み』を生かした先進的な取り組みへの挑戦」の両視点で予算を編成したと説明。重点施策の柱には、強靱で安全安心な地域づくり、コロナ禍からの経済再生と地域産業の活性化、全道一丸で取り組むゼロカーボン北海道、暮らしや産業へのデジタル化浸透による北海道Society5・0の実現などを据えた。
鈴木知事は21年度に引き続きポストコロナに向けて「さらに具体的な取り組みを進める段階になっており、一歩踏み出す形になる」と述べた。予算案は25日開会予定の第1回定例議会に提出する。
「2022年度道予算案」PDFで公開しています。以下のリンクからダウンロードページをご覧ください。