空知管内24市町の22年度予算案

2022年03月09日 17時00分

普通建設事業費微増の299億円 奈井江町が庁舎建て替えに着工

 空知管内24市町の2022年度予算案がまとまった。総額は前年度当初比(一部肉付け補正後比)1.3%増の4073億7166万9000円で、一般会計は1.7%増の2397億8094万4000円。同会計に占める普通建設事業費は0.5%増の299億3425万9000円となった。大型事業の新規着工では、奈井江町が庁舎建て替え、三笠市が学校給食センター建て替えの着工を予定している。

 22年度の予算案を見ると、上砂川町と栗山町が骨格編成。大型事業の着工は少なく、奈井江町の庁舎建て替えや三笠市の学校給食センター建て替え、夕張市で模擬坑道復旧、美唄市で東小大規模改修などを予定する。

 今後の着工に向けては、美唄市が市立美唄病院が実施設計、砂川市が駅前地区整備関連で新施設の実施設計に着手。歌志内市が商業施設建設の実施設計や児童センター等一元化施設建設の調査設計に入るほか、浦臼町が駅前再開発の基本・実施設計、秩父別町が義務教育学校建設の基本設計・地質調査を進める。

 各市町の事業概要は次の通り。

 夕張市 21年度に着工した市立診療所改築の2年目の本体工事費や外構のほか、2カ年施工で22年度着工の模擬坑道復旧に3億4785万円などを措置したことで、普通建設事業費が約4倍の大幅増となった。

 岩見沢市 21年度に本体が完成した市庁舎建設事業で39億円減ったことで大きく減少。道路新設改良は20路線、橋梁長寿命化2橋などで20億8850万円を措置。公園造成で1億292万4000円、大正池復旧の堤体・周辺施設整備に1億1625万円をそれぞれ計上した。

 美唄市 市立美唄病院が23年度早々の本体着工に向け、実施設計、旧MRI棟解体、敷地内の仮囲いなどの準備工に1億6098万円を計上。東小大規模改修は2カ年施工の初年度分に2億1190万円、サン・スポーツランド美唄テニスコート整備は1億7570万円をそれぞれ措置した。

 芦別市 21年度が骨格編成のため最低限の計上だったことに加え、ことぶき団地建て替え2棟20戸や、公共施設長寿命化などを盛り込んだことから、約3割増となった。

 赤平市 統合小建設の完了などにより、普通建設事業費は大幅に減少。主な事業として市道改良舗装に9000万円を計上し、北文本通や東町2号通の改修、東文通学線歩道改修を計画する。

 三笠市 築42年以上経過する学校給食センターの建て替えで、2カ年施工で初年度分として5億円を措置した。RC造、平屋一部2階、延べ1019m²の規模の新センターに建て替える。

 滝川市 西町幸町152号線改良舗装などの道路新設改良に3億4140万円を計上。滝の川公園テニスコート改修2年目に1億1540万円を充て2面分のコート整備や管理棟、トイレ、通路整備を計画している。

 砂川市 駅前地区整備事業関連で、新施設の実施設計と既存建築物解体、用地買収に合わせて3億2700万7000円を計上。道路橋梁整備や団地整備を計画している。

 歌志内市 義務教育学校整備で、校舎外壁改修に7700万円を措置したほか、改良住宅1棟24戸の屋上防水・外壁塗装に6700万円、道路防災点検・橋梁点検に2800万円をそれぞれ計上。商業施設建設の実施設計や児童センター等一元化施設建設の調査設計に入る。

 深川市 庁舎建設2年目の継続費などで普通建設事業費は前年度当初比95%増と倍近くに増加。中央公民館とバスターミナルの機能を持つ複合施設整備の基本計画策定費を盛り込んだ。

 南幌町 町道長寿命化改修には1億899万3000円を計上。町道西21号線舗装改修や、第3西13号橋改修、南17線排水路改修、南14線道路歩道改修などを計画している。

 奈井江町 22年度着工予定の庁舎整備事業に3億689万円を計上したことから、普通建設事業費が増加。体育館大規模改修2年目に1億2510万円を充てアリーナ床張り換えなどを予定している。

 上砂川町 4月に町長選を控えた骨格編成。さらに、庁舎建設事業の完了もあり、普通建設事業費は大きく減った。東鶉団地2棟30戸の長寿命化改修など公営・改良住宅改善を計画している。

 由仁町 公住中央団地はひので団地の一部移転建て替えで、RC造、2階、1棟8戸の本体を単年度で施工。北栄団地は4号棟の実施設計を進める。三川本通線道路改築は初弾で180mの改良舗装を予定している。

 長沼町 公住錦町北団地の建て替えが21年度補正予算で前倒しになったことなどが影響し、普通建設事業費が減少。新規で小中統合の新校舎建設に向けた検討に向けた調査、基線南9号橋架け換えの実施設計などを盛り込んでいる。

 栗山町 4月に町長選挙を控える骨格編成だが、第6次総合計画後期の最終年度を踏まえての予算編成。普通建設事業費は、継続の中心市街地区再開発が減ったことが要因で約3割減となった。公営住宅整備で、継立団地新築基本・実施設計、中里団地新築基本設計、ふじ団地外壁改修実施設計、中央団地新築2棟10戸一部予算に9121万5000円を盛り込んでいる。

 月形町 普通建設事業費が大幅に増加。要因は鉄道敷地整備で、旧知来乙駅ホームの撤去やレールの一部撤去、旧石狩月形駅舎などの解体、鉄道敷地測量に7772万2000円を措置。19号橋補修は4180万円を計上し、橋面防水などを施す。

 浦臼町 駅前再開発に基本・実施設計などに着手。23年度の着工を目指し、夏ごろにも指名競争入札する考えだ。JR軌道撤去に9330万円を計上。撤去工事計画の策定や、晩生内地区での鉄路や駅舎、鉄道橋撤去を進める。

 新十津川町 ふるさと公園リニューアル2期や、新十津川駅跡地整備を盛り込み、普通建設事業費は増加。ふるさと公園リニューアルは、水遊び用の池や大型遊具を設置する予定で、23年5月の大型連休にグランドオープンを目指す。

 妹背牛町 主な事業として役場敷地北側に防災時備蓄庫建設を計画。妹背牛温泉ペペルの大規模改修実施設計に1210万円を計上。23年度の着工を目指す。

 秩父別町 義務教育学校建設の基本設計・地質調査に2392万5000円を計上。秩父別中校舎の老朽化を受け、秩父別小敷地内に秩父別中を移転改築し義務教育学校とするもの。26年4月の開校を目指している。

 雨竜町 町道新設改良の減少で、普通建設事業費は約1割減。町住建設に2億8961万5000円を充て、わかば団地1棟9戸の建て替えを計画する。

 北竜町 桜岡団地建て替えを前倒ししたことなどが影響し、普通建設事業費が減少。新規事業として、エーコープ北竜店跡地の利活用について検討を開始する。

 沼田町 スキー場のロッジ、リフト更新や高齢者住宅建設が大きく押し上げ、普通建設事業費は大幅に増加。2億6660万4000円を計上し、高齢者住宅建設や周辺外構整備に取り組む。


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