建設労災は12人減の176人 道東3労基署の21年速報

2022年03月09日 17時10分

北見で死亡3人発生 釧路は被災者減少

 道東3労基署管内の2021年建設業労災発生状況(速報値)がまとまった。被災者は3管内で176人に上り、前年速報値に比べ12人減少した。帯広と釧路は2年連続で死亡災ゼロを達成したが、北見で3人発生。被災者数は釧路で大幅に減ったものの、帯広と北見は増加した。各労基署はさらなる事故防止に向け、基本的な安全対策の徹底や作業計画の順守を求めている。

 業種別では、土木が5人増の68人、建築は5人減の54人、木造建築は3人減の35人、その他・設備は9人減の19人。うち死亡災は土木で3人だった。

■帯広

 帯広労基署管内は4人増の75人が被災。2年連続で死亡災ゼロを達成した。内訳は土木が28人、建築が26人、木造建築が14人、その他が7人。土木が6人増、建築が5人増となった。

 3大災害は例年より多かった。死亡災は回避したものの、感電災害など命を落としかねない事故が目立った。

 全業種を見ると、死亡災は4人発生。警備業や道路貨物運送業など全て建設関連業種だった。

 同署の担当者は「いつ建設業で死亡災が起きてもおかしくない」と指摘。「重機やトラックの走行経路は人の立ち入りを禁止するなど基本的な安全対策の徹底を」と呼び掛けている。

■北見

 北見労基署管内の被災者数は5人増の50人となり、前年にゼロだった死亡災が土木で3人発生した。

 業種別の内訳は土木が死亡災3人を含む25人、建築10人、木造建築11人、設備4人。木造建築が8人増えた一方、建築は8人減少。依然として墜落・転落災害が高い割合を占める。

 同署の担当者は21年の管内建設業労災について、「工事前の伐木や草刈りといった関連作業などで残念ながら死亡災害が発生してしまった」と振り返り、「あらためて本来作業と同様に関連作業でも、作業計画の順守やリスクアセスメントの徹底を図り、事前の打ち合わせを組織的に実践してほしい」と要請した。

 また、悪天候時は早めの中止判断が必要とし、「作業者の安全確保のため、現場ごとに悪天候時の作業中止基準を再確認するなど、労災事故を未然に防いで」と注意喚起している。

■釧路

 釧路労基署管内は休業が21人減の51人で、死亡災は2年連続のゼロを達成し、統計開始以来初の快挙となった。

 内訳は土木が5人減の15人、建築が2人減の18人、木造建築が10人減の10人、設備が4人減の8人。全業種で前年を下回った。

 屋根や足場など、高所作業中の墜落・転落が目立ったほか、除雪車両や芝刈り機など、使用中の重機や機械による挟まれ・巻き込まれなども発生した。

 同署の担当者は、工事件数が前年と変わらない中、「2年連続で死亡災の発生がないのは、安全対策の取り組み成果」と話した。


関連キーワード: オホーツク 十勝 安全衛生 釧路

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