宮城、福島で震度6強

2022年03月18日 09時00分

 絵本をはじめいろいろなアートを手掛ける亀山達矢さんは東日本大震災からだいぶ過ぎた今も、気持ちがあふれ出すことがあるそうだ。子どもを寝かしつけているときが多いという

 ▼「布団の上で息子が玩具で遊んでいると、布団が海に、散らばった玩具が津波に流される様々なモノに見え、一瞬心がざわつく」。絵本作家たちが震災の記憶をまとめた『あの日からの或る日の絵とことば』(創元社)につづっていた。共感する人も多いのでないか。つらい記憶を繰り返し思い出し、不眠や鬱(うつ)、緊張状態に陥る心的外傷後ストレス障害(PTSD)に悩む人も多いと聞く。容易には消えない心の傷だろう

 ▼やっと治りかけてきたその深い傷に、塩を塗り込むような災害だった。おととい午後11時半過ぎに発生した最大震度6強の地震である。宮城、福島両県で震度6強、関東でも4―5、本道でも3を記録した。震源は福島県沖、深さ約60㌔。マグニチュードは阪神淡路大震災を上回る7・4だったという。ほぼ1年前の2月13日にも、やはり福島県沖を震源とする最大震度6強の地震があった。3・11の前後を狙って2年も騒ぎを起こすとは自然もいたずらが過ぎる

 ▼とはいえ防潮堤やかさ上げ道路、高台移転といった津波対策のインフラ工事は大方終わっていた。今回は幸い津波が小さかったが、そこそこ大きくても被害はかなり防げたはず。発災直後の安心感は以前と雲泥の差があろう。PTSDの治療で最も重要なのは安全な場所の確保である。それもインフラに託された新たな仕事に違いない。


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