道工組まとめ
北海道生コンクリート工業組合のまとめによると、2021年度の道内生コン出荷量は332万217m³で前年度から2.8%減少した。組合が想定していた過去2番目の低水準323万m³から上振れした格好。小樽や富良野、留萌などは増えたが、千歳や苫小牧、旭川といった地域は前年度にあった特需の反動で減少した。札幌は95万8067m³で3.1%ダウンした。
道内出荷量のうち官需は140万4306m³で2.5%減、民需は191万5911m³で3.1%減った。総量は北渡島(八雲や長万部)、小樽、後志、岩宇(共和や岩内)、西胆振(伊達や洞爺湖)、日高、空知、北根室(標津や羅臼)、十勝、南十勝(大樹や広尾)、富良野、上川北部(名寄や士別)、留萌、南宗谷(枝幸や浜頓別)、宗谷の15地域が上回った。
札幌は前年度実績から3.1%落ちた。官需は9万2824m³で14.7%減、民需は86万5243m³で1.7%減となった。上半期は大通や新さっぽろ駅周辺地区の再開発のほか、戸建てや賃貸マンションなど小口案件の積み上げが奏功した。下半期は失速し、2月は大雪が出荷に影響した。
千歳は20万6868m³で1.4%減。北海道日本ハムファイターズの新球場向け出荷が終盤に入ったことが大きかった。苫小牧は14万1526m³で48%の大幅減。前年度はバイオマス発電所や大型倉庫・工場など民間企業の設備投資に恵まれたため、反動減が出たものとみられる。
留萌は58.5%増の7万2821m³と大幅に伸びた。消波ブロック向けが旺盛で、羽幌や天塩は風力発電整備の出荷があった。国道239号霧立防災で進む霧立峠トンネル工事も要因となった。富良野は46.7%増の6万5485m³と大幅に伸びた。市庁舎やJAふらのタマネギ選別施設新設などが好材料に働いた。
旭川は11万6012m³で3.2%ダウンした。千代田小改築やヘルスケアコンドミニアム新築、弁釜旭川工場移転新築など大型物件を抱えたが、前年度実績には3700m³ほど届かなかった。
長万部がメインの北渡島は22.2%増の16万8251m³と堅調に推移した。小樽は12万7264m³で27.5%増、後志は16万6483m³で5.6%増となった。いずれも北海道新幹線札幌延伸の関連工事が下支え要因に働いた。
道工組は22年度の出荷量について、統計を取り始めてから過去最低水準の301万7000m³と想定する。官公需は8%減の122万3000m³で、民需は6%減の179万4000m³を見込み、最大市場の札幌は5%減の97万5000m³と厳しい見通しだ。