鳥インフルエンザ

2022年04月19日 09時00分

 今はだいぶ緩和されたものの、新型コロナウイルス感染拡大当初からしばらくは空港に異例の厳戒態勢が敷かれた。渡航者が海外からウイルスを持ち込むのを防ぐための検疫強化である

 ▼中国や欧州など入国制限対象地域から国内に入ろうとする人には症状の有無にかかわらず14日間の待機が求められた。しかも公共交通機関の利用も禁止。空港で足止めされたまま動けない「帰国難民」が生まれたのも記憶に新しい。空港で身動きが取れずにいる人への食料支援、待機者を宿泊させるホテルの借り上げなどコロナ狂想曲ともいえる騒動が繰り広げられた。とはいえ一連の措置が対策として功を奏したのも事実だろう。水際を守れば拡散を防げる

 ▼日本に飛来する渡り鳥にも越境時にそんな厳しい検疫を受けさせたいと、叶わぬ願いを抱く関係者もいることだろう。道内の養鶏場などで致死率の高い高病原性鳥インフルエンザが再び猛威を振るっている。今のところ野鳥がウイルスを運び込むのを止める方法はない。感染した白老町の養鶏場では16日から52万羽の殺処分が始まった。1カ所としては過去最大規模という。網走のエミュー農場でも陽性が確認された。感染は既に道内全域に及ぶとみられている。いわば災害に遭ったようなものだ。気の毒というほかない

 ▼施設は万全の対策を取っていたはず。それでもウイルスは人の営為をあざ笑うかのように侵入する。今やウイルスの巧妙さは多くの人の知るところとなった。感染が際限なく拡大する前に止める。残念ながら当面できるのはそれくらいしかない。


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