市住長寿命化計画を改定 民間賃貸住宅借り上げも
旭川市は、市営住宅長寿命化計画を改定した。4914戸ある住戸を2031年度には4550戸まで縮減する計画。第1、第3豊岡団地は統合して150戸の団地に建て替えるほか、新たに民間賃貸住宅の借り上げも始める。
12年度に策定した計画を22―31年度までの10カ年期間で見直した。
21年4月現在、市は36団地214棟4914戸の市営住宅を管理している。耐用年限の半分以上を超えた住戸は49.3%に上り、計画的な更新が求められるほか、人口減少を見据えて管理戸数を削減していく必要もある。
計画では第1―3豊岡団地、東豊団地、神楽岡NT団地の5団地を建て替える。現在は第2豊岡団地と東豊団地の再編統合を進めていて、27年度ごろの事業完了を予定している。
第1豊岡団地は8棟180戸、第3豊岡団地は8棟188戸あり、これを将来的には統合して150戸の団地に再編する計画だ。長寿命化計画では中期的な住宅需要には耐用年数が比較的短いW造を採用すると定めているため、一部の住棟はW造で整備することを視野に入れている。
神楽岡NT団地は32棟767戸で構成。豊岡団地の建て替えを優先するため、今回の計画期間内には着手しない見通しだ。
用途廃止は中央、新町、旭正、瑞穂、千代ケ岡、第4東鷹栖団地のほか、春光台団地のうち築年数の古いものを対象とする。いずれも建設から40年以上が経過しているため、計画的に住民の移住と建物の除却を進めていく。
22年度からは市内の民間住宅を借り上げて、市営住宅として貸与する事業も新たに始める。対象となるのは新耐震基準で建設され1戸当たり25m²以上、土砂災害警戒区域外にある住宅で、10戸程度の借り上げを予定している。
家賃は他の市営住宅と同一基準で算定し、実際の家賃との差額は市が補填する。市で管理する戸数を抑えられ人口動態に対応しやすくなるメリットがあるため、今後は住民の反応も踏まえて、借り上げ住宅の拡充を検討していく。