札幌市は、丘珠空港の利活用方針となる将来像案を早ければ23日に公表する。小型ジェット機を通年就航できるよう滑走路を現在の1500mから1800mに延長することや、ターミナルビルの整備などを盛り込む。総事業費は250億―350億円。近隣住民への説明会開催と市議会総合交通政策調査特別委員会での報告を経て、年内に成案化したい考えだ。
航空需要の回復や2030年度末を予定する北海道新幹線の札幌延伸を見据え、おおむね今後10年間を事業期間にまとめる。滑走路延伸に関し、市は1800mと2000mの案を検討してきたが、営業しながらの整備になることや、騒音、工事の長期化、事業費の増加などを懸念し、1800m案を採用する方針。
滑走路は北西に200m、南東に100mの延伸を計画する。空港の運用時間も延長し、発着便数を現在の1日最大30便から約70便に増やすことに加え、道外便を3路線から10路線程度に拡充する想定だ。新型コロナウイルスの感染状況にもよるが、年間旅客数は100万人を見込む。
利用者増加に対応するため、ターミナルビルの拡張や搭乗橋の整備、ターミナルビルへの商業施設誘致を検討。ロビースペースで保安検査をできるようにするなど施設の複合化を図る。
また、滑走路延伸をはじめ、駐機場や連絡通路、格納庫の増設、都心アクセス道路整備の早期実現を含め、秋にも空港管理者の国に要望する。整備が決まれば、国が主体となって事業を進める。
事業費は滑走路延長に150億―200億円、ターミナルビル関連に100億―150億円かかるとみている。費用は国が85%、市と道が合わせて15%を負担する見込みで、市は今後、道と負担割合について協議を進めることになる。
6月上旬の市議会調査特別委員会で案の報告を予定。住民説明会も進めながら、成案化を目指す。
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