札幌市は、滑走路延伸を含めた丘珠空港の利活用方針となる将来像案を公表した。滑走路延伸や用地費など空港整備事業費は150億―200億円とし、うち市と道の負担は23億―30億円となる見通し。加えて、都心アクセス道路を利用した空港連絡バスの通年運行でアクセスの充実を図り、空港駐車場の拡張についても国などと協議する。
6日の市議会総合交通政策調査特別委員会で報告した。
航空需要の回復や2030年度末を予定する北海道新幹線の札幌延伸を見据え、おおむね今後10年間を事業期間として成案化する。事業費は滑走路延長などに加え、ターミナルビル関連に100億―150億円を試算。費用は国が85%、市と道が合わせて15%を負担する見込みで、市は今後、道と負担割合について協議を進める。 滑走路は北西に200m、南東に100mの延伸を計画する。空港の運用時間も延長し、発着便数を現在の1日最大30便から70便に増やすことに加え、道外便を3路線から10路線程度に拡充し年間旅客数100万人を見込む。
道外路線1便が通年で1往復することで観光による年10億円の経済効果を試算している。
ターミナル機能の強化については、ターミナルビルの拡張や駐機場の増設、搭乗橋の設置、新たな航空事業者の格納庫設置を視野に入れて、国や関係機関、民間事業者と協議する。空港の機能強化に合わせ、医療ジェットの通年運用や札幌市消防航空隊の拠点化などを予定している。
石川さわ子氏(市民ネットワーク北海道)は空港の運用時間が1時間程度延びることに関し、騒音への対応を質問。市まちづくり政策局の木村顕一郎空港活用推進室長は「航空機の種類や機材によって騒音レベルが異なる場合に備え、今後も調査を継続し、環境基準の範囲内になるように調整する」と説明した。
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