新星マリン漁協旧事務所解体跡地に
留萌市は、新設を計画している水産研究・畜養センターの建設地について、留萌港にある新星マリン漁業協同組合の旧事務所を解体した跡地を第1候補に考えている。新設により、産学官連携で進める研究の強化や安定したナマコの資源確保などを推進する。
市は、2003年に新星マリン漁協と東海大との間で水産業振興に関する連携協定を締結。同大が研究や実験で得たナマコの養殖などに関する知見を共有している。10年には、はこだて未来大とも協定を結び、ICT端末を用いたナマコの漁獲量確認、漁獲可能な海域の見える化を進め、漁業者の安定した経営体制に貢献している。
実験は、留萌市内の三泊漁港にある畜養施設(S造、平屋、延べ130m²)で取り組んでいる。建設から40年以上が経過し、外壁に穴が開いているなど老朽化が著しい。狭小なため実験に用いる水槽を十分に設置できないといった状況にもある。
こうした課題を解決し、充実した設備環境で研究を進めるため、市は水産研究・畜養センターの新設を計画。留萌港南岸地区にある同漁協の旧事務所や荷さばき所として使用していた施設(RC造、2階、延べ480m²)の解体費用4790万円を22年度予算に計上し、解体跡地を建設地として有力視している。
22年度は、21年度に市と同漁協、大学で協議した新施設の運営法や運営費用などについて議論を加速化させる考えだ。