ことし前半終了

2022年06月30日 09時00分

 日本語には時の微妙な意味合いを表す言葉が多い。今しがた、とこしえに、じき、かねて、久しい、夜っぴて―。枚挙にいとまがない。「やっと」もその一つ

 ▼古川柳にもこんな句があった。「かみなりをまねて腹掛けやっとさせ」。腹掛けを嫌がる子どもの前で親が雷様のまねをし、おへそを取られるからと脅して着せることに成功したのだろう。「やっと」には、長くて大変だったという気持ちが込められている。きょうで6月も終わり。日数としては少しずれるものの、1年の折り返しである。やっと半年か、と既に疲れ気味の人もいるのでないか。大きな出来事が相次ぎ、気の休まる暇がない。1月早々から北朝鮮が立て続けに弾道ミサイルを発射。正月気分を吹き飛ばした

 ▼それが号砲を鳴らしたかのように、変異株オミクロンで新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大。2月1日には1日の国内新規感染者が10万人を超えた。それが下火になりかけた同月24日に、今度はロシアのウクライナ侵略である。人々の関心が国外を向いている隙を突いて、3月16日に最大震度6強の福島県沖地震が福島、宮城両県を襲った。自然災害ばかりではない。4月23日には最悪の人災が発生。死者14人、行方不明者12人を出した知床の遊覧船沈没である

 ▼本年度からはガソリン代に加え、物価が軒並み上昇。最近は異常な高気温で熱中症の危険にさらされると同時に、電力需給の逼迫(ひっぱく)にも悩まされる。あしたからの後半戦はどうなるのか。できれば「やっと」のため息の出ない穏やかな日々を望みたい。


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