21年度のCASBEE届け出は85件 札幌市環境局まとめ

2022年07月12日 18時56分

Sランクが過去最多の4件

 札幌市環境局は、2021年度の建築物環境配慮制度「CASBEE(キャスビー)札幌」の届け出状況をまとめた。延べ2000m²以上の建築物は前年度より1件少ない85件。環境に配慮していると認定したB+(プラス)ランク以上の建築物は6件増の72件、最高のSランクは4年ぶりで、過去最多の4件に上った。

 07年度に開始した同制度は環境型配慮建築物の普及を目的に、建築物の環境性能を総合的に評価する。21年度からは延べ300m²以上2000m²未満の建築物を新築増改築する場合にも建築主に対し建築物環境配慮計画書の提出を義務付けた。

 環境性能評価は「大変優れている」のS、「大変良い」のA、「良い」のB+、「やや劣る」のB-(マイナス)、「劣る」のCと5段階に分類。21年度のランク別内訳はSが4件、AとB+が各34件、B-が12件、Cが1件となった。AとSが4件ずつ増え、B+が2件、B-が8件それぞれ減り、Cは1件増だった。  用途別では、集合住宅が前年と同数の39件。事務所13件、病院11件、学校と物販店が各7件、工場4件、ホテル3件、飲食店1件。ホテルは新型コロナウイルスの影響で前年度から7件減少した。集会所は2年連続でなかった。

 事務所はSの届け出が4件、Aが6件。工場はAが3件増え、B-の届け出はなかった。集合住宅はB+が5件増加し、B-が5件減少。B+以上が8割を占めた一方で、Cが1件あった。

 集合住宅は、Aが1件減、B+が5件増、B-が5件減、前年度になかったCが1件。B+が最も多く41%を占め、次いでAが38.5%、B-が17.9%、Cが2.6%で推移している。

 省エネ性能の指標となるBEI平均は0.01ポイント減の0・79となり、届け出全体の省エネ性能は年々向上している。

 一方、延べ300m²以上2000m²未満の届け出数は計270件あり、うち住宅が217件、建築物が53件。ZEH―M相当は6件、ZEB相当は2件あった。

 住宅は省エネ基準を満たしていないランクが最も多く、89%の193件。建築物は誘導基準相当のランクが最多で、68%の36件となった。

 同局環境エネルギー課は「制度の周知によりSランクは順調に増え、B-以下のランクが減少している」と評価。建築主のノウハウ蓄積も要因とみている。


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