札幌市が建築物環境配慮制度に基づき計画を公表しているCASBEE札幌で、2025年3月の完成を目指す新駒岡清掃工場管理棟の申請以降、最高のSランクが新たに3件加わり、21年度分は過去最多の計4件となった。新規3件はオフィスビルなどで、いずれも省エネ性能はZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)相当となっている。
CASBEE札幌は建築物の新築、増改築に当たり、建築主などが自らその建築物に係る環境に配慮した事項について評価する制度。省エネルギー、省資源、緑化、雪処理を重点評価項目に位置付けている。
新たなSランク物件は、第一生命保険の旧札幌第一生命ビルディング建て替え計画(中央区北3条西4丁目1)と北電興業の仮称・南14西9事務所ビル新築(中央区南14条西9丁目712の1)、竹中工務店北海道支店の竹中工務店北海道地区FMセンター(中央区南20条西9丁目671の1)。全て主な用途は事務所となる。
旧札幌第一生命ビルディング建て替え計画は竹中工務店による設計で、S造、地下1地上13階塔屋1階、延べ1万5760m²の規模。23年5月の竣工を目指し、竹中工務店・岩田地崎建設・伊藤組土建共同体で施工中だ。
「高水準の環境ウェルネス性能を有する北国の次世代オフィス」「地下と地上の賑わいをゆるやかに繋ぐ」がテーマ。開口面積を抑えつつ室内環境の快適性を向上させる外装デザインで、高い外皮性能を確保した。高効率設備システムにより省エネも図っている。
南14西9事務所ビルはRC造、5階、延べ2655m²の規模。アクティ建築設計が設計、施工は中山組がそれぞれ担い、21年9月に完成した。
建築・設備技術を組み合わせてZEB Ready(ゼブ・レディ)認証を取得。昼光制御人感センサーによる照明や電気熱源を主体とした設備機器、高効率型の機器等を採用してエネルギー消費を削減する。
21年11月に完成した竹中工務店北海道地区FMセンターはW造、2階、延べ856m²の規模。直営で設計、施工した。
コロナ禍の社会情勢を踏まえた多様な働き方実現に向けた新たなオフィス空間を提案。南西面にポリカーボネートの外壁を配置することで積極的な採光を図るほか、地下水を熱源としたシステムを構築し、省エネ化を目指す。