未曽有の災害といわれた羽越水害は1967年8月28、29の両日、山形県と新潟県を襲った集中豪雨によって引き起こされた。期間雨量が200㍉を超えた所はざらで、新潟県黒川村の胎内川第1ダムに至っては748㍉を観測したというからすさまじい
▼消防白書によると死者・行方不明者は138人、住宅の全壊は449棟、床上浸水も2万6641棟に上ったそうだ。道路や橋、田畑も壊滅的被害を受けている。山形では最上川、新潟では胎内川をはじめ、多くの中小河川が氾濫。土石流も多く発生した。瞬く間に川が増水し、堤防が決壊していく光景を住民はなすすべもなく見守るしかなかったらしい。それから55年後のことし、両県は再びかつてに匹敵する豪雨に見舞われた
▼3日から4日にかけてのことである。24時間雨量が新潟県関川村下関で560㍉、山形県飯豊町高峰で300㍉以上に達するなど東北と北陸の各地で観測史上1位の記録を更新。雨はその後、滋賀県や福井県でも猛威を振るった。被害の全体像はまだ明らかになっていないものの、増水や土砂崩れによって橋や道路、線路といったインフラが相当数破壊されている。田畑の冠水、床上・床下浸水の被害に遭った方も少なくない