新駅建設で町に変化を 木幡正志長万部町長に聞く

2022年08月10日 08時00分

再開発し利便性向上 スーパーなど企業誘致も検討

木幡正志町長

 任期満了に伴う7月の長万部町長選で無投票3選を果たした。北海道新幹線長万部駅や駅前区画整理を踏まえた政策など、木幡正志町長に今後の展望を聞いた。(函館支社・舛岡雄介記者)

 ―2期8年の振り返りを。

 新幹線長万部駅構想の認可変更に尽力した。2014年に初当選した当初、新駅は地平駅が予定されていた。しかし、建設予定地が海岸から近いため、防災・減災の観点から高架駅がふさわしいと考えた。町民からも多くの賛同が得られたことから、町民の声を計画に反映するべく関係各所に粘り強く交渉した。17年に高架駅建設が決定した。

 ―認可変更の許可はどのように得たのか。

 道をはじめ、横浜にある鉄道運輸機構に足を運び、誠心誠意地元の意見を伝えた。津波などで新幹線長万部駅や線路が浸水して使用できなくなった場合、東京―札幌間が運行不可能になる。そうなれば町だけではなく国全体の問題となることを説明した。

 ―新駅を高架駅にする利点は。

 減災、防災につながる。新幹線長万部駅は海岸からおよそ400mの場所にあるので、津波などに対して事前対策が必要だ。高さ14mほどの高架駅を建設し、災害発生時には町民の避難場所として活用することも計画している。

 また、地平駅によって町が山側と海側とに分断されることを防げる。地下道を建設してはという意見もあったが、大雨、津波などの災害時に使用できなくなることや、防犯面でも懸念があった。

 現在の長万部駅の山側に高架駅、海側の駅前にロータリーや商業施設を建設し、幅6mほどの自由通路で結ぶ。これにより山、海の両側が新駅建設の恩恵を受けることができ、町の活性化につながると考えている。

 ―新駅建設に伴い、駅前の区画整理を計画している。

 新駅建設を契機に今までずっと変わらなかった町を変えたい。駅前を再開発し、住民の利便性向上や企業の誘致などを検討している。具体的にはスーパーマーケットや銀行などを考えている。

 また、駅前ロータリーや道の駅のほか、観光案内施設などの新設も考えている。長万部は19年に豊浦、黒松内の両町と「はしっこ同盟」を結んだ。新駅を基点としながら、各町の観光名所や特産品の紹介などもしたい。

 ―土地区画整理や駅前再開発の具体的なスケジュールは。

 まずは住民にしっかりと説明をして理解を得ることが大事。確定はしていないが、22―23年に住民説明や調査、24年に土地区画整理、25年以降に駅前施設や新駅に着工。30年までの完成を目指している。

木幡正志(きはた・まさし)1948年1月9日生まれ。長万部町出身。長万部高中退。長万部町議会議長を経て、2014年から現職。趣味はウオーキングと読書。1日1万歩以上を目標にしている。

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