囲碁の史上最年少プロ誕生

2022年08月19日 09時00分

 自分が小学3年生のころ、毎日何をしていたのだろうと思い出してみる。昔の話ゆえ記憶は薄いが、学校が終わると家にランドセルを投げ捨て、暗くなるまで友だちと遊んでいたことだけは間違いない

 ▼子どもの詩を集めた『ことばのしっぽ』(中央公論新社)に、小3の男の子の書いたこんな詩があった。「きのう 小室くんが とまりに来た うれしくてねむれない でも 気がついたら朝だった」。よく分かる。日々を楽しく過ごすことに一生懸命で、具体的な生き方や人生設計など頭によぎりもしない。9歳くらいなら、まだほとんどの子どもがそうでないか。だからこんなすごい小3が現れると心底感心する

 ▼大阪市に住む男の子、藤田怜央君が史上最年少の9歳4カ月で囲碁のプロ棋士になるという。関西棋院がおととい発表した。来月1日付けで正式にプロ入りするのだとか。藤田君は同棋院が本年度から始めた英才特別採用試験に挑戦し、見事にこれを突破。合格となる初段の認定を受けたそうだ。報道によると囲碁を始めたのは4歳の時。その10カ月後にはもうアマチュア初段の力があったらしい。「碁盤は宇宙」との言葉もある。無限の可能性から手を導き出す才能によほど恵まれているのだろう

 ▼心配があるとすれば、子どもならではの感性がどうなるかだ。囲碁ではないがやはり小学生でプロを目指した将棋の羽生善治さんも、早くから純粋に駒を動かす喜びを捨てなければならなかったと聞く。碁を打つのがうれしくて気づいたら朝。そんな日が一日でも長く続けられるといいのだが。


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