新幹線札幌駅東改札口周辺 新たな開発の芽
商業ビルやマンション開発を手掛けるマルイト(大阪市浪速区湊町1丁目2の3、木下勝弘社長)は、ホテルモントレ札幌を10月末に閉館することを決めた。新ビルへの建て替えなどを含め不動産の利活用を検討中だが、不動産関係者によると売却に向けた動きもあるという。2030年度末に開業する北海道新幹線札幌駅の東改札口が近く、周辺で大規模再開発計画が進んでいることから、新たな動きが注目される。
マルイトは、札幌市中央区でホテルモントレ札幌(北4条東1丁目3)とホテルモントレエーデルホフ札幌(北2条西1丁目1)を展開。このうちエーデルホフではアフターコロナを見越して客室110室分を増築するなど事業強化を図ってきた。
築28年が経過するモントレ札幌も建物や設備の老朽化が進むため、大規模改修を計画していたが断念。札幌で1館体制のホテル運営を決めた。 同社の担当者によると、閉館後はすぐに施設解体を進める予定はなく、新ビルの建設などさまざまな案が上がっているという。
ホテルモントレ札幌(SRC造、地下2地上9階、延べ1万7000m²)は、設計施工を鹿島が担当した。敷地面積は3000m²の広さで、駅前としては希少性が高い。用途地域は建ぺい率80%、容積率600%の商業地域となっている。

道新幹線札幌駅東改札口にも近いホテルモントレ札幌の動きが注目される
開発用地となれば、北5条東1街区に設ける北海道新幹線の東改札口周辺の不動産投資が、さらに勢いづくことになる。
同街区は日の丸パーキングの駐車場やトヨタレンタリースの店舗として利用。札幌市は各地権者との連携を模索し、新幹線駅との接続性や相乗効果を生み出す開発に期待を込める。北側の北6条東2、3丁目街区では、札幌総合卸センター跡地を活用したホテル、マンション、病院の再開発が進む。
このほか、北7条東1丁目街区のサッポロテイセンボウル・テイセンホール跡地で新施設を構想する帝国繊維は、30年度末の新幹線札幌開業に向けて計画を練る。
札幌中央郵便局(北6条東1丁目街区)も新幹線延伸による周辺のまちづくりの動向を注視。東区東雁来に道内最大の郵便物流拠点を設け、施設機能の一部を移していることから動く可能性がある。