3―5棟で年内にも整備計画
釧路町は2024年度、セチリ太地区に津波避難施設を新築する計画だ。避難施設が遠い空白地域を埋めるため3棟程度を整備する方針だが、分散避難の考えによっては4、5棟にすることも視野に入れる。年内にも整備計画を固め、23年度に設計を進める見通しだ。
セチリ太地区のうち北見団地、新開地区などは半径500m以内に避難施設がない避難困難地域となっている。日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震、津波発生時に住民約1700人が避難できる施設を整備する必要があった。
道の津波浸水想定では、同地区の釧路川に近い地域は約5m、市街地では約3mの津波が到達する。建設地によって異なるが、避難施設は約1mを上乗せした高さを確保する考え。最大の施設で700人を収容する延べ1000m²の規模を見込む。1m²当たり工事費80万円程度として10億―20億円の大型事業となるもようだ。
現段階では、北見団地などの地区を3区域に分けて3棟程度の設置を想定。一度に避難する人数を分散させて円滑な避難行動につなげる場合は、規模の小さい施設を4、5棟設ける考えもある。
11月上旬から住民説明会を開催。住民の意向も加味しながら整備計画を12月ごろにも策定する。
早期に整備する必要があるため、工事は23年度に前倒し発注する可能性がある。
セチリ太地区では、釧路開建旧釧路河川事務所庁舎を防災交流センターとするための改修を進めている。地域の防災拠点機能を持つ施設と併せて避難施設が整備されれば一層の防災力向上が図られる。