日本・千島海溝沿い地震対策で 23年度は基本設計
浜中町は日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に対応するため、2023年度に津波避難対策事業費として2億7000万円超を投じる。津波避難タワー4棟の新築を計画し、約4200万円を充て基本設計と地質調査に取り組む。このほか、丸山散布地区の津波避難広場新設に約2億円、霧多布高の屋上避難階段新築に約3000万円を投入する。
町は、巨大地震対策をなどをまとめた緊急事業計画(23―27年度)を年度内に策定する。避難タワーや避難広場、屋上避難階段の新設を盛り込み、5カ年の施設整備に総事業費約16億3700万円を積み上げた。
津波避難タワーは琵琶瀬親睦、新川西、暮帰別、仲の浜といった避難困難地域4地区に設置。津波基準水位は7―8mで、約10mの高さを確保する。広さは160―300m²とする方針だ。1棟当たりの工事費は約3億円に上り、4棟の総事業費は13億円程度となる見通しだ。
24年度に実施設計、25年度に琵琶瀬親睦、26年度に新川西、27年度に仲の浜、暮帰別で施工する計画だ。建設地は町有地や民有地が候補となっている。用地取得などの準備が整った箇所から着工する考えだ。今後は住民説明会などを経て、年度内に整備計画を固める。
丸山散布地区の避難広場は、公住散布団地H10裏の敷地に高さ4m、広さ2500m²の盛り土をする。工事費は2億円を超えるとみられ、23年度単年で施工する。
霧多布高の屋上767m²を避難所とするため階段を新設。工事費は約3000万円を充当する。
校舎はRC造、3階、延べ3773m²の規模。3階は基準水位の7.4mを超える7.9mに位置するが安全性を高めるため、11.5mの屋上への避難を計画する。階段のほか、転落防止柵なども整備する考えだ。