札幌では去年、12月半ば過ぎまで自転車に乗れていた。積雪が遅かったのである。記録を見ると根雪になったのは17日。平年より11日遅かった。釧路など一部を除き、全道同じ傾向だったらしい
▼どうやら今季は平年並みに戻りそうだ。シンガーソングライターの中島みゆきさんが『根雪』で「町は 毎日 冬 どんな服でかくしてみせても 後ろ姿 こごえてる」と歌っていたが、今月の初めからそんな様子である。気温が低いため、今月初めに降った雪がそのまま残っている地域も少なくない。きっとことしはこれが根雪になるのだろう。「根雪らしずっしり重い寒さきて」坂本箕子。そんな一句を思い出す。とにかく毎日が寒い。強い冬型の気圧配置が続き、北から次々と寒気が下りてくる気象条件なんだとか
▼灯油やガスといった燃料の価格が高騰している中でのこの冷え込みは二重につらい。暖房費を節約して、体を壊しては元も子もないのである。冬将軍が貧乏神と二人三脚でやってきたようなものだ。きょうからあすにかけても、本道は一部地域で大荒れの天気が予想されている。週末は本道だけでなく本州の日本海側も警戒が必要だ。時に災害級の雪をもたらす日本海寒帯気団収束帯が新潟付近に発生しているのである。本道から東北、北陸地方にかけて特に車でお出掛けの方は十分に注意されたい
▼本道出身の歌人穂村弘さんに一首がある。「目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき」。まさにその通りで、気づいた時にはもう冬の中にいた。ことしは冬が長い。