ことし5月に公開され、人気を集めたSF特撮映画『シン・ウルトラマン』(東宝)を見に映画館へ足を運んだ人は多かろう。派手な戦闘シーンもさることながら、地球侵略を企むメフィラス星人の独特な語り口も大いに話題となった
▼俳優の山本耕史さん演じるメフィラスがしたり顔で言うのである。「呉越同舟、私の好きな言葉です」。またある時には、「捲土重来(けんどちょうらい)、私の嫌いな言葉です」。四字熟語は四文字に深い意味を込められるところが面白い。さて皆はことしをどう捉えたのか。住友生命の「創作四字熟語」が先頃発表になった。最優秀作は「遠客再来(千客万来)」。コロナの水際対策が緩和され、遠来の客が再び訪れてくれるようになった風景を描写している
▼優秀作には円安の進行を表現した「急円超下(急転直下)」、ロシアのウクライナ侵略を憂慮する「烏露曲折(紆余曲折)」、NHK大河ドラマの人気を象徴する「鎌倉爆風(鎌倉幕府)」など9作が選ばれている。入選作には日本ハムファイターズのきつねダンスに注目した「狐群扮踊(孤軍奮闘)」もあった。勝手ながら筆者も幾つか本道にちなんだ熟語を考えさせてもらった。まず「知床非情(知床旅情)」。運行も経営も検査も全てずさんだったゆえに起きた海難事故だった
▼続いて「線路相談(進路相談)」。JR留萌線廃止など沿線住民とJRで廃止の合意をする例が相次ぐ。最後は「威風殿堂(威風堂々)」。日ハムの新球場が北広島に誕生する。来年は本道も日ハムも劣勢挽回といきたいものだ。