23年度にも基本設計
函館開建は国営かん排としての事業化を目指している北斗市内の北斗地区で、小水力発電など再生可能エネルギーの導入に向けた検討を進めている。2023年度は小水力発電の基本設計を想定している。
同地区は、上磯ダムと大野ダムのかんがい用水を利用する市内東部に位置。水稲のほか、施設園芸や露地野菜を組み合わせた農業経営を展開している。受益面積は1228haを見込む。
1990年に完成した上磯ダムは、気候変動の影響による雪解けの早まりなどから、春から夏にかけて営農に必要な水量が不足する傾向にある。このため、大野ダム(02年完成)との間に補給水路を新設し、上磯ダムへ用水を融通するプランを描いている。
22年度から地区調査を進めていて、その中で再生可能エネルギー導入の可能性についても検討。小水力発電を設置する対象施設や発電形式などを固めている最中だ。
導入の可能性が確認できれば、基本設計を簡易公募型プロポーザル方式で年度内に公告し、23年度早々の契約を目指す。対象は土木関係コンサルで、業務期間は6カ月としている。
国が所管する農業用水利施設での小水力発電は、旭川開建が先行して取り組んできた。17年度に当麻町内で当永発電所、19年度に南富良野町内で空知川上流小水力発電所がそれぞれ完成した。帯広開建も芽室町内の美生ダムへの設置を計画し、24年度の着工を目指している。