ひところに比べればずいぶん減ったが、全滅にはほど遠い状況のようだ。暴力団や反社会的勢力による役所や企業、個人への不当要求のことである。対応に苦慮した経験を持つ人もいるのでないか。要求が通るまでしつこく迷惑行為を繰り返し、脅したりすかしたり。嫌気が差して相手が折れるのを待つ
▼今は撃退のための基本的な心得が広く共有されている。毅然とした態度、信念と気迫、冷静な対応の3つである。実際の対応として最もしてはならない行為は、逃げ腰や諦めから暴力団などの言いなりに金品を渡してしまうことだという。解決するどころかくみしやすい相手と甘く見られ、際限なく新たな要求を押しつけてくるようになるそうだ
▼暴力団や反社会的勢力などに限らない。不当、不法な要求をしてくる者には、やはり同じ態度で臨むべきだろう。韓国が持ち出したいわゆる「元徴用工問題」もそうでないか。今度は日韓の有志企業から寄付金を募り、賠償を肩代わりさせようとの案を出してきた。日韓併合を最終的に解決する韓国への補償に両国が合意した1965年の日韓請求権協定に、その問題も含まれていたのはご存じの通り。ところが2018年に韓国大法院が日本企業に損害賠償の支払いを命じ、当時の政権もそれを放置
▼日本が協定に則り支払いを拒否すると韓国世論は沸騰、関係も悪化した。そこで現在の尹錫悦政権が寄付案を出してきたわけだ。どうしても日本から金と謝罪を引き出したいらしい。脅したりすかしたりである。日本は不当な要求をのまず、毅然と対応したい。