ビル東側には商業や住宅などが入る高層施設も計画
苫小牧市は駅周辺ビジョン案をまとめた。JR苫小牧駅前のシンボルゾーンにホテルなどが入る高層のシンボルビルを配置。その東側には商業や住宅などが入る別の高層施設の設置も計画している。ビルは早ければ2024年度の事業者選定を視野に入れる。
市は21年3月に都市再生コンセプトプランを策定。駅前にシンボルビルや公園などを整備するなどウオーカブルなまちづくりを打ち出している。駅前にエリアを絞って計画を具現化するため、駅周辺ビジョン策定検討委員会を設置して内容を詰めている。
「創造的学び」と「暮らし」が出会う街を目指し、実現に向けて①ウオーカブル②エリアマネジメント③新たな産業振興④ゼロカーボン⑤スマートシティ⑥国際都市⑦学び・人材育成⑧防災強靱化―の8つの目標を掲げた。
検討例ではホテルや商業、サイエンスパークが入るシンボルビルを苫小牧駅南口正面に整備。南側へ向かって高層から低層になるよう配置する。シンボルビルの東側にバスターミナルや大型駐車場を設け、さらにその東隣に商業、オフィス、住宅で構成する施設を整備する。
シンボルビルの南側にタクシー乗り場などの交通広場、さらにその南隣にサテライトキャンパスなどが入る施設を設置する。
シンボルビルは低層階に飲食や計3500m²の商業、1000m²の行政機能、3000m²のサイエンスパークを配置するイメージ。中層階から高層階はホテルとする。ホテルは1フロア500m²で6層分を想定している。
バスターミナルなどの東側に配置する施設は低層階に飲食や商業、2000m²のオフィス、2000m²のコワーキングスペースを設置し、中層階に学生寮、中層階から高層階を住宅とする。住宅部分は1フロア500m²で学生寮を含め7層を想定。シンボルビルと立体駐車場、東側の施設は全て連絡通路で結ぶ。
駅南側に設置する施設は低層階に地域交流の場となるココトマ、最上階の4層目にサテライトキャンパスなどを配置する計画だ。
持続可能なエリアマネジメントを展開するため、マネジメントの各種戦略などを立案・推進する専門家組織の仮称・苫小牧アーバンデザインセンターと、まちづくりイベントや事業の運営を担うエリアプラットフォームの2つの組織の組成を検討する。
市は27日から3月28日までパブリックコメントを募集する予定。シンボルビルについては早ければ24年度にプロポーザルで事業者を決め、旧サンプラザビルの解体や、その後のビル整備などに取り組む計画だ。