普通建設事業費31%増の391億円 釧根管内市町村23年度予算案

2023年02月28日 17時39分

釧路市、根室市は2倍

 釧根管内市町村の2023年度予算案が出そろった。総額は前年度当初比4.7%増の4106億8393万3000円で、一般会計は5.6%増の2508億1505万円に上る。同会計のうち普通建設事業費は31.2%増の391億6694万3000円。釧路市は給食センター建て替え、根室市は新庁舎建設などを計画し、両市とも約2倍に増大した。また鶴居村が鶴居中大規模改修、浜中町が総合文化センター改修を計画。他市町村も、学校や公住改修を実施するため、全体として公共投資が大きくなった。

 羅臼町は、首長選挙を控えての骨格編成。釧路市は発注ベースの公共事業予算費で集計した。

■釧路管内

 釧路市 給食センター建て替えや第8魚揚場整備、公住堀川団地B棟など大型事業の着工費を計上したことから、各会計に占める発注ベースの公共事業予算は33.1%増の175億5000万円で、このうち一般会計は99.3%増の84億1000万円。防災関連では、大楽毛地区に新設する複合避難施設の基本・実施設計、西消防署大楽毛支署と消防第12分団の統合に向けた基本設計に取り掛かる。

 釧路町 一般会計と総額ともに過去最大を更新した。別保中増改築に2431万円、役場防災拠点機能整備に5442万円を措置。セチリ太地区避難タワー新設に向けて実施設計に取り組む。普通建設事業費は2.3%減の11億361万7000円となった。

 厚岸町 一般会計と総額はいずれも平年ベース。普通建設事業費は6.7%減の22億8286万3000円となった。仮称・防災交流センターを整備するため実施設計や解体費など1億1727万円を措置した。床潭末広間道路改良舗装は2億667万円を計上。下水道では汚水管新設、設備更新に2億3175万円を充てる。

 浜中町 普通建設事業費は49.6%増の19億3773万7000円。総合文化センターに6億1645万円、丸山散布津波避難施設に2億4048万円を計上したことで増加した。公住茶内団地の3棟目新築に2億6800万円を充てるほか、浜中第3号配水池耐震補強に工事費2億6152万円を投じる。

 標茶町 茅沼地区観光宿泊施設や標茶中の旧校舎・講堂解体といった大型案件が完了したことで普通建設事業費は46.7%減の14億2000万7000円となった。合葬墓建設に3500万円、常磐10号線道路改修に3775万円を計上。外部改修を見込む公住桜団地の実施設計と長寿命化計画見直しに1340万円を盛った。

 弟子屈町 川湯保育園改築に10億62万円を確保したほか、公住の除去や建て替えに4億1630万円を措置した。観光・まちづくりの推進としては、阿寒摩周国立公園満喫プロジェクトによる川湯温泉地区での廃屋撤去や、中心市街地再構築に向けた地域交流拠点の実施設計、弟子屈ワイナリー建設などを計上。一般会計、総額ともに過去最大規模になった。

 鶴居村 鶴居中大規模改修を盛り込むなど、普通建設事業費は50.9%増の16億8220万8000円と大幅に増加。2カ年工事で、初年度は9億3379万5000円を充てる。道路改良では、3路線の設計と7路線の工事を推進。市街地に取得した土地で道路新設や、上下水道管の布設を計画している。

 白糠町 総合体育館の改修に6億7292万円を計上したほか、JR白糠駅前広場整備に1億7636万円を確保。駅舎やバスターミナルを含む複合施設などの実施設計に充てる。道の駅しらぬか恋問移転改築では、移転先の環境・モニタリング調査や実施設計に6286万円を投じる。このほか、避難タワーの実施設計や避難路LED照明の整備などに9663万円を積み上げた。

■根室管内

 根室市 一般会計は17.5%増の247億2800万円で過去最大。新庁舎建設2年目の継続費を盛り込んだことで普通建設事業費は約2倍に上った。仮称・総合体育館建設、仮称・老人福祉センター建設の基本構想策定に取り掛かる。厚床に開校を予定する義務教育学校の基本設計費1476万円、仮称・厚床ふるさと館の基本設計に934万円を措置した。ふるさと納税が好調で、22年度は80万件、180億円に迫る予想。各基金残高の合計は、23年3月見込みで188億7520万円に上る。

 別海町 一般会計、総額ともに平年並みの水準。普通建設事業費は1.3%減の27億円。ゼロカーボン推進に向けた公共施設の照明LED化関連事業費は約2億2000万円を確保。本庁舎補修に1億755万円、町道整備に2億9830万円、病院設備更新に3億842万円を充てる。

 中標津町 一般会計、総額ともに最大規模。2カ年目となる広陵中長寿命化改良の工事費に17億465万9000円を計上したために膨らんだ。公住東中団地2棟8戸の建設費に2億6622万円、除雪トラック3台の購入と機械格納庫C棟の建設費に2億8515万円を計上した。計根別農業協同組合によるバイオマスガスプラント建設に向けた基礎調査支援費を盛った。

 標津町 普通建設事業は27.9%増の10億9531万円。茶志骨生活館の建て替えに8677万円、医師住宅2棟の建設費に1億3732万円を措置。ゼロカーボンに向けてLED化を推進。安全灯に3696万円、役場庁舎に2271万円、サーモンパークの照明に2259万円を充てた。

 羅臼町 4月に町長選を控えた骨格編成だが、一般会計は17年度に次ぐ過去2番目の規模。ふるさと納税関連経費や資材価格高騰に伴う転嫁が増額の要因となった。公住緑町団地のB―2号棟建て替えや植別2号線改良舗装を予定。温泉供給設備等整備では4号井と5号井の増掘に取り組む。


関連キーワード: 予算 市町村行政 根室 釧路

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 古垣建設
  • web企画
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,540)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,417)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,307)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,097)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (889)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。