電気料金や灯油・ガス代の請求書が届くたび、深いため息をついていた冬がやっと終わった。かかったお金を合計すると、めまいがするほどである。冬の本道では燃料費をそう削るわけにもいかない。風邪でも引いて寝込んでは元も子もないではないか
▼春になっても安心はできない。食料品をはじめ、生活必需品の値上げラッシュが続く。100円だったちくわが200円近くで売られていたのにはさすがに驚いた。「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざり」。石川啄木はそこで「ぢっと手を」見たが、われわれには今、他に見るべきものがある。次に道政を担う知事に誰がふさわしいか、しっかりと見極める必要があるのだ。統一地方選が始まった
▼物価対策自体は知事の直接の仕事ではない。ただ、人や産業を育て、逆境をものともしない足腰の強い北海道をつくるのは重要な役目。不景気になると全国に先駆けて足元がおぼつかなくなり、景気が上向いても回復が最後になる地域では話にならない。本道人口は昨年まで10年連続して全国最多の減少数を記録。JRの路線廃止もそれと同根だろう。都道府県の魅力度では常に上位を占めているものの、道民の生活は決して楽ではない
▼知事選では現職に新人3人が挑む。投票日は4月9日。ここで共に同じ夢を描ける人を見つけたい。
23日付のWBCを取り上げた本欄に誤りがありました。後段に「イタリア戦」とあるのは皆さんお気づきの通り、もちろん「メキシコ戦」です。侍の優勝に舞い上がり、コントロールが乱れました。訂正します。