おとといの朝、出勤の準備をしているさなかにテレビとスマホから異様な音が鳴り響いた。常のことではないため緊急地震速報か北朝鮮のミサイルか一瞬考えたが、スマホを手に取るとミサイルの方。しかも本道周辺に落ちるというではないか。さすがに緊張した
▼通勤途中の人も、既に仕事をしていた人もいたろう。自分はさておき、真っ先に家族や友人らの心配をした人も多かったのでないか。大丈夫だろうかと。幸い誰も傷つけることなくミサイルは消えたようだ。政府は午前8時16分に「北海道へ落下する可能性はない」と情報を修正した。北朝鮮はきのう、初の固体燃料式大陸間弾道ミサイルの実験だったと発表。多段式で段ごとに角度を変えたことも明らかにした。発射も軌道も探知しにくい厄介な代物である
▼ミサイルは途中でレーダーから消えたものの、軌道を予測すると、直撃はせずとも残存物は本道に落下する危険があると政府は判断したらしい。大事をとってのJアラート発令だったわけだ。警報が人騒がせなのは確かだが、以前とは受け止め方が違う。今回はロシアのミサイルにおびえるウクライナの人々がすぐ思い浮かんだ。現地では空襲警報が鳴ればどこかで建物が壊れ、多数の負傷者が出て人が死ぬのである
▼平和がどれほどはかないか、独裁体制がいかに邪悪か、嫌というほど見せつけられた。日本の隣にあるのも国際法を無視し、国連決議も意に介さないそうした国の一つである。個人にできることは限られるが、Jアラートは抜き打ちの避難訓練と捉え、もしもに備えたい。