網走開建が整備構想検討
雄武町と北オホーツク農業協同組合は、農地再編を目指して雄武南部地域の事業化を国に要望している。網走開建が2023年度から整備構想検討に着手。国と地域が連携し、雄武町南部に広がる酪農地帯の課題整理に入った。3年程度で農業農村整備の方向性を探る。
網走開建は、調査対象として主に雄武川から南に広がる農地約5000haを想定している。牧草などの飼料作物を生産し酪農経営に取り組む地域。構想で整備範囲を見定める。雄武川から北では、16年度から雄武丘陵地区が進行している。
町や農協は、農地が点在し、沢や低地が多い点を課題として挙げる。効率的な農作業の妨げとなり、耕作放棄地の増加を懸念。ほ場を集約して大区画化することで省力化を図る。
地域からは、飼料の値上がりで自給飼料の比率向上を求める声も多い。区画整理が進めば、将来的にICT農機の導入も可能になり、担い手不足や生産性向上につながる。空いた作業時間を6次産業化に充てたい考えだ。
地域内で地形の条件や求める対策が異なることから、網走開建は23年度から状況把握と課題整理に取り組む。7日に農土コンサルが整備構想概略検討を3144万円で受注した。現在の区画規模、地域全体の農地面積、作物と収量、営農実態など地区概定調査と構想策定調査を進める。
町内では同じ課題を抱える北部が先行し、国営緊急農地再編整備の雄武丘陵地区(受益面積3663ha、総事業費120億円)として16年度に事業化。27年度完了を目指し、区画整理で大区画化と排水整備に取り組んでいる。