函館市長大泉潤氏インタビュー 新幹線乗り入れは悲願

2023年07月04日 08時00分

空港への波及効果生み活性化

 函館市長に就任して2カ月。6月28日には2023年第2回定例市議会が開会し、今後、政策予算を盛り込んだ補正予算案の審議が本格化する。同29日、北海道建設新聞社の単独インタビューに応じ、人口減少や経済の衰退など、山積する課題に立ち向かう意欲を示した。(函館支社・鳴海太輔記者)

大泉潤函館市長

 ―あらためて北海道新幹線のJR函館駅乗り入れを構想する狙いを。

 いま地方都市はどこも地域の再生に苦労している。函館も駅前は非常に厳しい状態だ。限られた財源を基に活性化を目指してきたが、成果を挙げられていない。

 乗り入れが実現すれば、単に新函館北斗駅での乗り換えがなくなって便利になるというだけでなく、例えば市街地に近接している函館空港への波及効果も生むだろう。こうした地域活性化に向けた多くのカードが手に入る。

 乗り入れは、昔から市民が求めてきた悲願。補正案には可能性を探る調査費を盛り込んだ。実現には大きな財源が必要だが、地域がどのように変わるのかを示し、市民理解を得たい。

 ―公約には地元企業への優先発注の方針を掲げた。

 人口減少という課題を抱える中、函館を若い人に選んでもらえるよう、都市の魅力を向上させなければ。Uターンしたい人も多い中、ニーズに合う職場がないということも聞く。起業支援や企業誘致も大事だが、地元企業の活性化は永遠のテーマだ。

 その中で、地元優先発注は市役所としては当たり前のイズム。「役所は自分たちのことを考えてくれているんだ」と思ってもらえるようコミュニケーションが必要だ。公共事業だけでなく、イベント開催などのソフト事業も同様。市内企業や市内で働く人が、やりがいや働きやすさを感じられる雰囲気を醸成することが大事だ。

 22年度の地元企業のみを対象とした入札の割合は件数ベースで70%だった。一部の業種では、地元の入札登録者数の割合が道と比較して低い現状もあり、登録要件を見直すなどして発注率を高めたい。

 ―22年8月には市内が豪雨災害に見舞われた。自然災害への今後の対策は。

 現在は総務部が防災関係の業務を担当しているが、24年度には危機管理監という独立したポストを新設する計画だ。災害などの際は一定の権限を持たせて市長と直接連絡を取り合えるようにし、迅速な初動対応を心掛ける。函館地方気象台との間に設けているホットラインなども生かし、次の段階の災害対応を目指す。
 ハード面では、緊急車両の充実や、老朽化した水道管、雨水管の整備促進が不可欠だ。道管理河川の拡幅や河床掘削への要望を続けるとともに、市管理河川の浚渫と適切な維持管理を徹底する。

 ―函館市長は代々、高規格道路の整備促進期成会の会長を務めるなど中心的な立場を担っている。

 高規格道路は災害時の代替路、避難路、輸送路の確保や、救急医療における搬送時間の短縮など、重要性を非常に強く感じている。

 もちろん、産業と経済を強くする上でも欠かせない。函館には宿泊施設が集積している一方、体験施設を含めた観光資源は道南一帯に広がっている。函館での連泊促進と、高規格道路網を生かした広域周遊観光への誘導が重要だ。

 道南は本州と札幌圏をつなぐ位置にありながら、津軽海峡も含めて高速自動車の交通にミッシングリンクがあるのは由々しき事態だ。函館・江差自動車道の未着工区間と、松前半島道路、228号白神防災の早期着工を、地域の総意として強く訴えなければならない。

 大泉潤(おおいずみ・じゅん)1966年3月20日、江別市出身の57歳。早稲田大法学部卒業後、95年に市役所入り。観光部長、保健福祉部長を歴任。2022年7月に退職後、ことし4月23日の市長選で初当選を果たした。

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