室蘭「ゆめみの星宮の森」の宅地造成商談が好調

2023年07月10日 08時00分

高所得層中心に滑り出し順調 相続で売却増、地域衰退危惧の声も

 室蘭市宮の森町の宅地造成地区「ゆめみの星 宮の森」の商談が好調だ。1区画当たり200―300m²で900万円前後、建物を合わせると4000万円程度の価格設定だが、高所得層を中心に順調な滑り出しを見せる。流通は売買ともに活況だが、相続で不動産を手放して室蘭を離れる人も増加中だ。

造成工事中の「ゆめみの星 宮の森」

 宮の森町3丁目1の旧知利別小跡地1万6500m²を、住まいのウチイケ、川田建設工業、宇佐美建設、内池建設が共同で開発・販売する。造成工事を進めていて、11月から建築条件付き分譲地45区画を販売開始。総額3億円を見込む。

 主な購買層は市内や近郊に住む30―50代の高所得者世帯だ。同地区には24年4月に私立保育園が移転予定で、子育て層にも訴求する。住まいのウチイケ(本社・室蘭)の内池秀光社長は、自社販売予定区画の6割で商談が成立したと明かした。

 宮の森町は東室蘭駅やMEGAドン・キホーテ中島店、モルエ中島などの商業施設が近い。モルエ中島では今秋、スターバックスの市内初出店を控えていて、東町の弥生ショッピングセンターからユニクロも移転する予定だ。飲食店が軒を連ねる中島地区にも行きやすく、市内でも利便性の高い地域。坂が多い室蘭では珍しい平地の分譲という点も注目される。

 内池社長は、宮の森町でこれだけの規模は少ないとし、「良い場所にできた新しいまちという部分が魅力につながったのでは」とみる。

 市内の新設住宅着工数はここ3年減少。22年は前年比38%減の233件だった。生産年齢人口の割合が低く、子育て世代が少ないことや近年の資材高による新築価格の高騰が影響した。

 流通は売却案件が活況だ。室蘭や登別、伊達などで売買仲介を手掛ける業者は、コロナ禍以降、相続による売却相談が増えたと明かす。資材高騰で新築戸建に手が出ない層からの購入相談も多いことから、今は需給バランスが取れているという。一方、物件売却をきっかけに地元を離れる人がさらに増えれば、地域が衰退につながると危惧している。


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