人口増や地元採用を期待 長沼町の旧西長沼小活用事業

2023年07月21日 08時00分

 小学校跡地が工場に生まれ変わる―。長沼町が実施した旧西長沼小跡地施設活用事業の公募型プロポーザルで、FJコンポジット(本社・千歳)が契約候補者に決まった。敷地内で、同社の主力である半導体用放熱材料やセラミックス絶縁回路基板、燃料電池セパレータなどを製造する工場3棟新築を計画。各工場で20―40人の雇用を見込む。町産業振興課企業誘致推進室は「地域経済の効果は大きい。人口増加や地元高校新卒者の採用なども期待できる」と話す。

 旧西長沼小跡地は西7線南4で、敷地面積は2万2452m²。1981年11月に建設した校舎・屋体(RC一部SRC造、2階、延べ1692m²)があり、工場はグラウンドやスケート場跡に新築する。長沼工場は1棟目を2024年、2棟目を26年、3棟目を28年に着工する計画で、既存校舎は事務所や倉庫として活用する。

 土地(建物は無償)の提案価格は3540万円で、12日に仮契約を完了。文部科学省の財産処分の許可が下り次第、議会承認を経て本契約する予定だ。

 町は14年3月末に中学校3校を1校に、20年3月末に小学校5校を1校にそれぞれ統合。それに伴い小中6校が廃校になった。

 旧西長沼小に先行して実施した旧南長沼小と旧南長沼中の跡地利活用の公募型プロポーザルで、カルディコーヒーファームを全国展開するキャメル珈琲(本社・東京)が土地と建物を取得。旧南長沼小グラウンド跡地に工場を新築し、旧南長沼中跡地も活用を検討している。

 旧北長沼小は空知管内初の私立小学校として、学校法人学びのさと自由が丘学園(本部・長沼)が私立まおい学びのさと小を開校。町と無償借用の協定を交わしており、今後、旧北長沼中を活用した私立中学校の開設も計画している。

 廃校跡地の利活用がなかなか進まない空知管内の自治体は多いが、町は自らが利用する見込みのない普通財産は「空間で稼ぐ」をキーワードに、売却や貸し付けを促進。旧西長沼小跡地利活用の契約候補者が決定したことで、町内の廃校跡地は旧長沼舞鶴小跡地を残すのみとなった。旧長沼舞鶴小の跡地利活用は、町が推進するタンチョウも住めるまちづくりに賛同する利活用を望み、住民会議や現地見学会・意見交換会、民間事業者へのPRをしている。(岩見沢)


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