女性建設技術者の活躍を支援するため、北海道建設業協会(岩田圭剛会長)は、22日午後2時からポールスター札幌で研究会を開く。会員企業の総合建設会社で働く女性技術者20人が参加し、生涯を通じて建設業と向き合えるよう結婚や出産、育児などの課題と解決策について意見を交わす。議論の結果は、企業経営者の意識改革や魅力ある職場づくりに役立てる。
雇用機会の均等により、建設業に入職する女性が増える中、優秀な人材を求めて女性技術者への関心が高まっている。しかし一方では、子どもを産んだ後も現場の最前線に復帰して働くことができる職場環境の整備が遅れ、仕事と家庭の両立が大きな課題となっている。
道建協の会員企業には現在、87人の女性技術者が在籍している。女性が一層幅広く活躍できるよう、今回初めて、本人らの議論を踏まえて環境改善や離職防止につなげる同研究会を企画した。
道建協傘下の地方建協から計20人の女性技術者が参加する。内訳は、札幌建協が6人で最も多く、空知建協5人、帯広建協3人、稚内建協2人、函館建協と小樽建協、釧路建協、網走建協が各1人。いずれも1、2級土木、建築施工管理技士などの有資格者で、現場職員としての勤務経験がある。
事前に全女性技術者を対象に調査したアンケートの結果によると、建設系の大学を卒業して入社した20代、40代が多く、未婚の割合が高い。労働環境としては「拘束時間が長く残業がある」など、育児を伴う家事との両立が難しい実態が浮かび上がっている。
22日の研究会では、各建協の女性事務員を含めた3グループが同一テーマの「働き続ける上で何が必要(不足している)か、これから何がしたいか」を討議する。議論を通して、同じ希望や夢を抱く仲間としての結束を強めるとともに、会社や業界に理解を求めて悩みや不満を問題提起する。
講演で北海道労働局の浜田京子労働基準部安全課長が、女性が働きやすい職場環境づくりについて話題を提供。コンピテンス・カウンセリング協会の神田裕子代表理事が女性建設技術者のワーク・ライフ・バランスを指導する。