日銀札幌支店は19日、2月の金融経済概況を発表し、道内景気の全体感を前月と同じ「一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに回復している」と判断した。建設向け鉄鋼需要の減少を受け、生産のみ判断を引き下げた。
全体感の判断据え置きは2カ月連続。公共工事は、前月の「足もとでは減少している」から「減少している」に表現を変えたものの、判断自体は据え置いた。道内の公共工事請負金額が2014年12月、15年1月と2カ月続けて前年同月を上回っているため、「足もとでは」の表現を削除した。
住宅投資は前月同様「減少している」とした。依然として消費税増税前の駆け込み需要の反動で持ち家の需要が伸び悩んでいること、建設コスト上昇で分譲マンションの新規建設を控える動きがあることなどをその理由としている。
生産については、高水準での推移が続いているものの、建設向け鉄鋼需要が減少したことから「一部で弱めの動きがみられる」として判断を引き下げた。生産の判断引き下げは昨年11月以来3カ月ぶりとなる。
記者会見で曽我野秀彦支店長は生産の落ち込みについて「今から2カ月程度の一時的なものである」とし、公共工事発注が増えてくる春以降徐々に回復すると説明。先行きについては「原油安の影響がどれだけ経済にプラスに働くか注目される」と述べた。