女性の現場進出後押し-専用ユニットハウスを札幌のメーカーが試作

2015年06月29日 19時25分

 総合建設機器レンタル会社カナモト(本社・札幌)の関連会社で製品メーカーのカナテック(同)が、現場で働く女性作業員が使う水洗トイレと、談話や仮眠ができる休憩室を設置した専用ユニットハウスを試作した。女性が快適に過ごせる空間づくりにこだわっている。従来の現場イメージを覆す新しい労働環境を提案することにもなりそうだ。

 従来製品のユニットハウスである2坪タイプのRS20型と3坪タイプのRS30型を改良して試作した。女性技能工の進出を積極的に進めている総合建設会社が、ことし3月に女性がくつろげるユニットハウスを特注した。

 2坪タイプの「レストハウス」は水洗トイレと独立した洗面所などを設置してある。トイレは簡易型ではなく、下水道につなぐ本格型。一般家庭と同じ温水洗浄便座や保温、脱臭機能があり、音漏れを防ぐ擬音装置も取り付けられている。トイレの内壁にはグラスウールを埋め込み防音効果を高めた。

 3坪タイプの「休憩ハウス」には足元に収納が付いている座椅子と、同じ高さの台座を設置。同僚同士で座って弁当を食べたり、寝転んで昼寝が楽しめる。出勤、退勤時に普段着と作業着を着替える鏡付きのクローゼットも備え付けた。

 いずれのユニットも高齢者が利用しやすいよう段差はなくし、手すりも取り付けてある。プライバシーを守るため窓は曇りガラスで、カーテンレールもある。無機質になりがちなハウスの内装はクロス張りにした。

 首都圏にありがちな密集市街地の現場に運び込めるよう、あえて2タイプにユニットを分離。狭い土地でも並べ方次第で置ける工夫をしてある。厳しい暑さをしのぐため、エアコンが後付けできるダクトを設けている。

 カナテックは相手企業の女性技術者と意見交換し、要望に応じて試作した。山田武司常務は「壁にポスターをマグネットで貼れるボードや洗面所の棚、トイレの小物入れなどは女性ならではの細やかな心遣い。限られたスペースなので動線づくりに苦労したが、コンパクトに収めることができた」と話す。

 試作品はスタンダードタイプだが、もっと大きなユニットハウスにトイレや休憩室、クローゼットなどを設置することも可能。シャワールームもオプションで取り付けられる。

 深刻な人材不足を解消するため、男社会で知られる建設業に女性の進出が目立ってきた。女性が現場で働くことで、女性特有の柔らかな物腰や言動により仕事がスムーズに運んだり、近隣住民とのトラブルが減少するなどの効果も現れている。

 若者が建設業を嫌う理由には、賃金が低く繁忙期に休日が取れないほか、現場の3K(汚い、きつい、危険)問題がある。しかし女性に配慮する職場環境づくりが進み、休息や休憩の空間改善から対策が波及し、誰もが安心して働ける3K撲滅の意識改革まで高まることが期待される。

 同社の成田仁志社長は「楽しく働くことができる現場の演出が建設業発展の鍵になると考えている。環境改善への投資は人づくりにつながる。一緒に汗を流してアイデアを出し、建設業を後押ししていきたい」と建設業のイメージアップを側面から支援する。


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