厚真町は、老朽解消や耐震強度確保の必要性から計画する役場庁舎建て替えについて、庁内検討を活発化させている。改築に当たっては、役場以外の機能を盛り込むなど複合化が基本。2016年度からの次期総合計画に反映させるため、15年度内に建設時期や場所、盛り込む機能など一定の方向性を打ち出す考えだ。
京町120にある現庁舎は1953年の建設。本庁舎はRC造、2階、延べ836m²、渡り廊下で連絡する別館はS造、平屋、延べ542m²の規模がある。
老朽化、狭あい化が進んでいるほか、05年度の耐震診断では耐震強度の低さが確認されている。建物の構造上、耐震補強はできない状況にあることから、改築に向けて検討を続けてきた。
これまでの議論の中では、現在地周辺で複合として建設するという方向性が示されている。役場周辺にあり、同じく老朽化が進む総合福祉センターや、児童会館が機能統合の候補。
また、福祉関連の部署が総合ケアセンターゆくりに、教育委員会が青少年センターに入居するなど役場機能が分散しているため、それらを集約するとなると、最低でも2000m²は必要とみられている。
まちの規模から、事業費は10億円を1つの目安としている。96年度から積み上げてきた改築基金は14年度末で約3億2000万円に上る。
これまでも改築の方針は持ちつつ、財政事情から先送りしてきた経緯がある。現在も18年3月の完成を予定する厚幌ダム関連の大型事業が進行中で、20年度には28億円に上る国営農業事業の支払いが控えている。このため、事業着手は次期総合計画の後半(21―25年度)となる見込みだ。