道は、2016年度に適用する総合評価方式のガイドライン改定案をまとめた。「技術者等の育成・確保」の評価項目を新設。技術評価点の算定方法である1位満点方式は「工事施行成績」の項目に限定して適用し、施工計画審査タイプⅠ型の半数程度を対象に「施行成績重視型」として試行する。16年2月上旬に決定する。
17日に札幌市内の第2水産ビルで開いた、第2回総合評価方式の活用・改善等に関する検討会に示し、学識経験者らの意見を聞いた。16年1月12―27日に各地方建設業協会と意見交換する。
16年度ガイドラインに反映する事項を見ると、担い手の育成・確保への中長期的な対応として「技術者等の育成・確保」の評価項目を新設。「若手技術職員の育成・確保」と「技術職員の確保」の2つがあり、どちらか得点の高い方を評価点とする。満点は0・5点。
「若手技術職員の育成・確保」は①技術職員の35歳未満割合15%以上②新規の若手技術職員(35歳未満)数が全体の1%以上―の両方を満たしていると0・5点、いずれかだと0・25点となる。経審を15年4月1日以降に受けた企業は審査時点、それ以前に受けた企業は16年4月1日時点の技術者名簿で割合を確認する。
「技術職員の確保」では、4月1日時点の技術職員数が直近に経審を受けた時点と比べて同数以上の場合に0・5点を与える。若年者が少ない地域でも技術職員の確保に取り組んでいる企業を評価するのが狙い。
また「担い手の育成・確保」と「地域の守り手の確保」の視点で評価項目を再編成。地域社会貢献活動の「多様な雇用への貢献」では、協力雇用主制度の登録を新たに評価する。
評価の固定化など課題への対応としては、評価項目の運用を改善。「ISOマネジメントシステム」や「地域精通度」、新設する「技術者等の育成・確保」など11項目を対象に、共同体(JV)について現行の最も高い構成員の評価から、構成員の平均値による評価に変える。
「技術者の追加配置」の項目は、CPD(継続教育)の推奨単位以上と有資格期間の評価をやめ、代わりに1・2級建設機械施工管理技士を対象に加える。
「地域企業の活用」は、JVの応札が多い施工計画審査タイプⅠ型について①JV構成比率に占める地域企業の割合②1次下請けの地域企業活用比率―の2つの基準を設け、どちらか高い方を評価点とする。どちらもその割合に応じて0―1点を与える。施工計画審査タイプⅠ型以外では、1次下請けの地域企業活用比率か、従来通り「地域内企業を下請け等で活用する計画」のいずれかを適用できるようにする。
その他の見直しとしては、「工事施行成績」で過去2カ年平均点の評価を77点で打ち切る。評価項目の最高点獲得者に技術評価点の満点を与え、その他には得点に応じて技術評価点を案分する1位満点方式は、点数の算出が複雑なことなどから、初会合で提案した地域で選択可能な項目への適用はやめ、「工事施行成績」に限定することにした。同方式は、全道枠工事である施工計画審査タイプⅠ型の半数程度で施行成績重視型として試行。各建管1―2件程度を想定している。
「工事等優秀業者表彰」の対象には、北海道新技術・新製品開発賞と北海道チャレンジ企業表彰を追加。過去3年間で表彰された場合に加点となり、落札するまで年1回申請可能とする。
前回提案していた「維持・除雪功労者表彰者の雇用」については、各建協が選考していて、総合評価方式に適用するには課題があることから、今回は見送り、選考方法の見直しを含めて今後の検討課題とした。さらに、価格評価点と技術評価点のバランス、標準型と簡易な施工計画の評価方法の検証、一括審査方式と段階的選抜方式の導入を検討課題に位置付けた。