厚岸漁業協同組合(厚岸町奔渡3丁目1、川崎一好組合長)は、厚岸町の厚岸漁港若竹第2ふ頭や真栄にカキ人工種苗大規模生産施設など4棟を建設する。ロシア200カイリ内でのサケ・マス流し網漁禁止に伴う対策で、国や道の補助を活用し総事業費約23億7000万円を投じる。今後委員会を開いて施工の指名業者を選定し、3月中の入札、着工を見込んでいる。
若竹第2ふ頭に建設するのは、カキ人工種苗大規模生産施設(S造、平屋、延べ1109m²)と冷蔵保管施設(S造、平屋一部2階、延べ2000m²)の2棟。
カキ人工種苗大規模生産施設では、ホタテ貝殻にカキの幼生を付着させて育てる。70枚1連とし、町内で1年間に使う種ガキの半数に当たる1万連を生産。将来的には町内で使用する種ガキ全てを生産するほか、道内への供給も目指す。同漁協は「できるだけ種ガキの値段を抑えて業者に提供することで、少しでも負担を軽減したい」と話している。
冷蔵保管施設には3000㌧の海産物をマイナス30度で貯蔵できる。同漁協や地元漁業者、水産加工会社がサケ・マスの代わりとなるサバやサンマなどを保管する。
同漁協が真栄で所有する製氷冷凍工場の隣接地に建設するのが、冷蔵保管施設(S造、平屋、延べ1511m²)と貯氷施設(S造、平屋、延べ976m²)の2棟。冷蔵保管施設は若竹第2ふ頭に建設するものと同規模。貯氷施設には製氷冷凍工場で作られた氷を保管し、水揚げが集中する秋口の氷不足対策に活用する。
いずれの施設も2017年3月の完成を目指している。