鉄道運輸機構は1日、2016年度の鉄道建設事業概要と発注見通し(工事情報)を公表した。北海道新幹線新函館北斗―札幌間の事業費は61.1%増の340億円で、新小樽―札幌間で初のトンネルとなる朝里トンネルのほか、内浦と羊蹄に着工。トンネル工事は7件の発注を予定している。
16年度に発注するトンネル工事は北斗市、厚沢部町、八雲町にまたがるエリアにあり、一部工区に着手済みの渡島(延長2万6470m)が台場山工区、南鶉工区、北鶉工区、上二股工区の4件。
長万部―倶知安間では、長万部、黒松内、蘭越の3町にまたがる内浦(1万5560m)と、ニセコ、倶知安両町の羊蹄(9750m)の各1工区に着工する。新小樽―札幌間は、計画するトンネル2本のうち小樽市内の朝里(4300m)に先行して取り掛かる。
入札予定時期は、第3四半期(10―12月)が渡島の南鶉工区、北鶉工区、羊蹄の比羅夫工区の3件、第4四半期(1―3月)が渡島の台場山工区、上二股工区、内浦の静狩工区、朝里の4件となっている。
鉄道運輸機構の新幹線に関する16年度事業費は27.6%増の2074億円。うち新函館北斗―札幌間に340億円を充てる。3月に開業した新青森―新函館北斗間には80億円を配分し、騒音対策などの残工事を進める。
また、青函トンネルの機能保全に関する防災事業として、貸付鉄道施設改修に7.1%減の13億円を配分している。