清水鋼鉄(千葉県浦安市港54)の清水孝社長は28日、需要量の増加に対応するため、苫小牧市勇払の苫小牧製鋼所内で施工中の鉄筋加工工場に続き、「できれば同じ工場をもう1棟建てたい」と整備構想を明らかにした。
苫小牧製鋼所で開いた新商品販売に関する記者会見で述べた。
同所は昨年6月、東京鉄鋼(本社・東京)から購入した高強度鉄筋「SPR785」を用いて高強度せん断補強筋「パワーリング785」の加工・販売を始めた。同12月、高強度・高付加価値の商品に対応するための試験を行うクオリティーサービス(QS)センターが完成。最新式の2000㌔万能試験機を設置し、ことし2月にJISの承認を受けて稼働を始めている。
4月には日本建築センターの溶接評定を新たに取得。素材から加工まで自社単独でパワーリング785を生産する体制を道内で初めて整えた。しかし既存工場では、加工機械だけで場所を占有して素材を置くスペースがなく、手狭な状態。加工能力が限界を迎えていることから、4月に新工場の建設に着手した。
建設地は同所がある苫小牧市勇払145の13の敷地内で、規模はSRC造、延べ約2000m²。構造は壁がRC造、柱と梁がS造。大林組が設計施工を担う。完成は11月中旬を予定。既存工場から精密切断機や自動曲げ機、パワーリング溶接機などを移した後、12月から新工場の稼働を始める。
新工場建設により、加工能力が従来の約1・5倍に上がると試算。機械を増やすことでより一層の向上も見込めるため、清水社長は「新工場で旺盛な受注に対応していく」と話した。
中でも、グラウトが不要な異形鉄筋の機械式定着(フリップ)工法の製品で需要が年々増加しているため、さらなる加工工場の建設構想も明らかにした。