美唄市教育委員会は、耐震化の必要性が指摘されている市民会館について、建て替えの方向で協議を本格化させる。大規模改修や耐震補強の可能性も残しているが、建て替えの方が安全性や財源の面から現実的と判断。2017年度以降に基本計画策定などの具体的な作業に取り掛かれるよう有効的な財源や建設地、施設に持たせる機能について検討していく。
西4条南1丁目4の2にある同施設(RC造、平屋一部3階、延べ3337m²)は1969年の建設。96年に実施した耐震診断では構造耐震指標(Is値)が0・4―0・5と、基準値である0・6を下回る結果となった。
耐震性の問題に加え、これまでにも蒸気ボイラの配管や暖房、照明といった各設備の修繕を必要に応じて施すなど、老朽化も著しい状態。ことし3月には浸水被害が発生し、6月議会で改修費を補正していた。大ホールの天井に関しては、つり天井であることから、天井張り替えや壁材強化が必要と、市の建築担当から指摘されている。
さらに、市民会館と渡り廊下でつながっている市立図書館(RC造、2階、延べ922m²)も老朽化や狭あい化という課題があるため、建て替える場合は市民会館と合わせて対応する。
これらを踏まえ、市教委は耐震補強ではなく安全性をより確保できる建て替えに重点を置き、協議を進めていく。事業実施に当たってはPFIの導入を視野に入れており、新施設は現在の利用ニーズに応じた機能を持つ生涯学習センターとして建設する考え。
現状について、市教委の伊藤敦史教育部長は、浸水被害の対応は応急処置という位置付けで長期的な老朽化改善にはならないと指摘。また、つり天井についても調査費だけで数百万円掛かり、工事費は数千万円となる見通しで、この点からも建て替えが有力としている。