北海道財務局は、札幌市西区八軒にある国家公務員合同宿舎琴似住宅の一部約6・8haの売却について、地区計画活用型一般競争入札を適用し、9月26日に公告する。入札受付期間は同日から12月20日までで、2017年2月1日に開札する予定。
札幌市西区八軒3条西3丁目ほかにある同住宅は、約17・4haの敷地内に35棟が並ぶ。付近にはスーパーや病院、小学校などがあり、JR琴似駅まで徒歩10分圏内と利便性が良い。このうち、八軒西小(八軒3条西5丁目)の南側に位置する601号棟から615号棟までの計15棟(580戸)、敷地約6・8haを解体・撤去を条件に売り払う。
売却に関しては、国有地を含む一定の区域を対象に自治体が都市計画を決めた上で入札する地区計画活用型一般競争入札となる。道財務局はこれまで、札幌市に対して公務員宿舎がある西区八軒エリアを「農試公園東地区」として地区計画の決定に関する提案書を4月に提出。札幌市都市計画審議会の答申を経て、8月19日付で決定した。
計画内容を見ると、今回売却対象となった八軒西小が近い北側の一般住宅A地区では、高さを12mで制限した住宅や保育・幼稚園、福祉施設などが立地できる。西側の同B地区では集合住宅や戸建て住宅のほか、日用品販売店舗など居住者の利便を支える機能を備えた施設とし、高さ制限は18mとなっている。
南側に位置し、JR琴似駅に最も近い一般集合住宅地区は、中高層の集合住宅や日用品販売店舗を設けることができる高さ27mの高度地区とした。用途地域は、いずれも第1種中高層住居専用地域、建ぺい率60%、容積率200%となっている。
このほか、エリア内にある区画道路5条と公園1カ所も整備する。
地区計画区域内で売却の対象とならなかった20棟に関して道財務局担当者は「当面はこのまま利用していく」と話している。