函館駅前市有地等整備事業プロポーザルの審査結果について函館市は2日、大和ハウス工業が最優秀提案者となったことを公表した。交流広場、商業施設、ホテル&サービスアパートメント(SA)から成る拠点を提案。13階建てのホテルをはじめ、2棟で延べ1万3456m²の規模を見込む。開業は2019年5月を予定している。
同事業の用地は、函館市若松町43の5ほかの9887m²。市が公募主体となり、市、JR北海道の所有地を一体的に整備する民間事業者を5月から募り、3者から提案書の提出があった。
1日の審査委員会で、雇用の創出や周辺事業者などへの経済効果、適切な資金調達、投資計画が立案されているなどの評価を受け、大和ハウス工業を最優秀提案者に選んだ。
提案によると、交流広場の西側にホテル棟(RC造、13階塔屋1階、延べ1万2234m²)、東側に店舗棟(S造、平屋、延べ1221m²)を配置し、専用駐車場142台分を計画。「和」のおもてなしをキーワードに、観光と交流によるにぎわい創出の拠点を生み出す。
函館の顔にふさわしいホテルと滞在型観光に適したSAを整備。客室は18―46m²のゆとりある空間にする。商業施設は、函館の食材を使ったレストラン、特産品販売など地元企業が中心のテナント構成を想定。宿場町の街並みを再現しつつ、駅前広場との一体性・連続性を持たせる。
ただ、審査委は和風デザインが函館の歴史観に合わないとし、市民が共感できるデザインへの見直し、観光客だけでなく、市民利用も図られる運営の在り方を9月中に再提案することを推薦条件に盛り込んだ。
その内容を踏まえ、市は10月にも事業協定を締結する。